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【生産性のモノサシ】 「OJT完全マニュアル」 2015 (3)

松尾睦(まつおまこと)「OJT完全マニュアル」2015

評価 (報告を聴き、フィードバックを伝える)

フィードバックの4原則

  • 聴ききる(できればメモをとる)

  • プロセスを承認する(ねぎらう): 成果があがっていなくても、努力にねぎらいの言葉をかける。「ねぎらい」によって部下の心が開き、フィードバックを受け入れる準備が整う。

  • 問いかけ、本人に考えさせる: ここが山場なので発問に工夫する。

  • アドバイスする: 部下の成果や実力が十分であれば無理にアドバイスする必要はない。部下の実力に応じたアドバイスを心がける。

質問を工夫して、内省を深める

  • 何をやって、何が起きたのか?

  • 何がうまくいって、なにがうまくいかなかったのか?

  • その結果、何がわかったのか?

  • 他に何ができたか?

  • 次にどうするか?

3種類のタイミングを使い分ける

  • 即時: 望ましい行為をその場でほめれば、行為が定着する

  • 日々の振り返り: 日々の業務で課題を見つけ、改善する習慣をつける。日報も活用する。

  • 一定スパンでの振り返り: 成功パターンと失敗パターンを会得する。

  • 成果を出したから成長するのではなく、振り返ることで成長する。だから、失敗しても、きちんと振り返れば成長する。

工夫してほめる (ポジティブ・フィードバックを伝える)

  • 「何が良かったのか」「どこが伸びたのか」を具体的な事実でほめる。

  • 成果が出ずとも、上司先輩から見て、努力が認められる、教えたとおりに行動できた、これらも成長と捉えて、具体的にほめる。

  • 才能よりも努力をほめる: 才能をほめられると、またほめられるために、易しい課題に取り組むようになる。努力をほめられると、またほめられるために、より挑戦的な課題に取り組むようになる。

  • 時間をおかずにほめる。

  • ほめるだけでなく、感謝の言葉を添える。「私もうれしい」「私も驚かされたよ」など。

  • メールや日報コメントなど、ほめ言葉を形に残す。部下は読み返して、また元気が出る。

  • 朝礼などの報告でも、上司からほめ言葉、感謝の言葉を添えて、職場全体でたたえあう雰囲気をつくる。

工夫して叱る (ネガティブ・フィードバックを伝える)

  • 「部下の成長を願ってネガティブ・フィードバックを伝え、本人に気づかせる」という自分の姿勢を固めたうえで伝える。

  • 感情的に叱るのは効果がないだけでなく、パワハラや、メンタルの原因となる。人格否定や罵声もダメだし、「あと5分でやりなおせ」といった出来ないことを強要するのもダメ。

  • サンドイッチ話法を活用する: ネガティブ・フィードバックの前後を、「(良かったところを)ほめる」「(改善に向けて)はげます」でサンドイッチにして伝える。

  • 客観的事実に基づき、理由を明示してフィードバックする。

  • プライドを傷つけないよう、基本は1対1で、簡潔に伝える。

学びの抽出 (学びをマイセオリーにする)

取り組みを見える化する

  • 学び・気付きをを、図やチェックリストにまとめさせてみる。

  • 次に使えるマイ・マニュアルを少しずつ書き溜めていく習慣をつける。

視点・視野・視座の質問で、気づきを広げる

  • 視点とは「どこを見るか」という着眼点のこと。QCDや、チームワーク、コミュニケーションなど。部下の見落としている視点をリマインドする。

  • 視野とは「どこまで見るか」という、物事を見る範囲のこと。前後の工程、中長期の影響、組織や会社の方針など、ストレッチしてみる。

  • 視座とは「どの立場から見るか」という物事をみる立ち位置のこと。顧客の立場、他部署の立場、後輩の立場、上司・先輩の立場、など。

  • 部下が繰り返し発するフレーズやキーワードは、部下の今の視座・視点・視野を象徴している。それを深堀りしたり、逆に、思い込みをほぐして、広げたりする。

  • 視野を広げたうえで、スコアリングを活用する。「今回の出来栄えは何点?」「足りない30点分は、何が足りなかったと思う?」など。

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