
よく51番目の州なんて揶揄されるが
みなさんおはようございます。本日は昔読んだ本で、「日本がもしアメリカ51番目の州になったら」というものがあったので、感想を述べたいと思います。
これはブッシュ政権時の本でかれこれ20年ほど前の話です。昔から日本はアメリカの51番目の州だ、なんて揶揄されていますが、現実問題、アメリカもそこまで面倒見切れるほど余裕はないでしょう。
よくよく考えてみればわかりますが、アメリカの人口は三億人いるとはいえ、日本だって1億人以上います。カリフォルニア州で3600万人とかなので、その3倍以上日本に人口がいます。もし選挙をしようと思ったら、選挙人を150人とか用意しなければなりません。そうなると、日本州で勝たないと大統領選ができなくなります。
一方でプエルトリコのような自治州にしようと思っても、人口でも経済規模でも、州の一つにしなければ、ダメでしょうし、結局アメリカも面倒を見切れないということになります。
仮に日本側から、合衆国に参加したい、併合を望んだとしても、アメリカ側がメリット以上のデメリットがあるので、拒否されることでしょう。確かに、北太平洋をぐるりと囲む国ができるわけですが、それよりかは、最低限の米軍を駐屯させて、国家運営は日本国政府に任せた方が、費用面で見ても合理的でしょう。
文化の違いとか、英語を公用語にしなければならない、なんてそんな単純な話ではなく、合衆国に加わるということは、選挙とかの問題が大きいため、私は無理だと思います。ただ、フィクションとして、思考実験としてこの本はとても面白かったので、紹介させていただきました。
よくよく考えたら、戦後占領していた、小笠原や沖縄を日本に返還したのも、管理ができなくなったから、という面が大きいかったのだろう、と想像できます。英仏も次々と海外領土を放棄したのも、時代が変わったというのもありますが、管理ができなくなったというのが一番大きな理由だと思います。
帝国主義の時代も終わって、今は自分の国だけで精一杯になっている昨今、他所の国にまで手を出している暇はない、ということです。やはりそれだけ人類も合理的になってきたということなのでしょう。
というわけで、51番目の州なんて揶揄されてはいるものの、本当になろうと思っても、連邦政府が管理できないし、南北戦争のように離脱する州が出てきた歴史もあるため、やはりアメリカ側も受け入れることはないでしょう。でも繰り返しになりますが、こういうシミュレーションは本当に面白いです。パラレルワールドとして、51番目の州になった世界というものは見てみたいものですね。実際は国がなくなるわけですから、そうやすやすと決断できるものではありませんが。
それでは本日はこの辺で。今日も読んでいただきありがとうございました。
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