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故郷に帰りたい「HSP」というのもあるのかも
4歳の頃、私は突然、自分の本当の名前は「むうこ」で、「遠いところからやってきたのだ」と感じた。
7歳上の兄にこのことを話した。兄は真剣な面持ちで、「本当に『むうこ』なんだな?いいんだな?」と念をおした。
そして兄は、私が幼稚園に入るために母が用意していた通園かばんや靴、帽子、その他の持ち物すべてに、油性のマジックで「むうこ」と名前を書き入れた。
その後が大変だった。母は怒り心頭。かわいそうなことに、当時11歳の兄はバシバシに叱られ、その日の家族のおでかけはパァになってしまった。
しかしその後も私は、この世界にいることの違和感、どこかに「帰りたい」という切ない気持ちを、ずっと抱き続けてきた。
それが、生まれ育った街に帰りたいのでもなく、実家に帰りたいのでもないのだ。
まわりの人に言えば、解離を起こしてるとか、現実逃避とか希死念慮といわれるだろう。説明が難しいので、この感覚は誰にもいわずに胸の奥に収め続けてきた。
精神世界の本を手当たり次第読む中で、アメリカの催眠療法士ドロレス・キャノンのことを知った。彼女は2014年に亡くなったが、多くの人に退行催眠療法を行うなかで、思ってもみなかった、時空を超えた情報が得られたのである。
わたしの退行催眠による治療中には時々、過去の人生ではなくどこか別の場所に行ってしまう被術者がいる。その場所は地球でないことは確かなのだが、彼らはそこを「故郷(home)」と呼ぶ。
そうした場所はとても過酷な環境で、どう考えても故郷と呼ぶにふさわしくない。しかし、湧き上がってくる懐かしい感情は否定しようもない。(中略)
わたしはこうした人たちを「スターチルドレン」と呼んでいる。(中略)
彼らは穏やかで優しい性格であり、人間同士が冷淡に振る舞い、暴力があふれているこの世界を理解できない。自分の故郷がどこにあるのかしらないが、それでもそこに帰りたいと願っている。
彼らの潜在意識の語るところによれば、自分たちのように暴力を知らない生命体が、地球が変化する段階で必要になるエネルギーを導入するために、自ら望んで地球にきたという。(中略)
しかし、彼らの顕在意識はそのことを知らない。(そのために)地球では不幸な生活を送っている。堪え難い状況から逃れたくて、自殺を試みる者も多いようだ。
ドロレス・キャノン著
誉田光一訳
ナチュラルスピリット
2021
この報告を読んで、ことばにならず埋もれていた感覚に、初めて光が差した気がした。
映画「ET」で、瀕死のETが息を吹き返し、
「オウチ、デンワシタ!」という。私も「故郷」と一瞬デンワがつながった気持ちになった。
近年、HSP(Highly Sensitive Parson=非常に感受性が強く敏感な性質)という心理学概念が流行っているが、「故郷(Home)に帰りたいスターピープル(Star People)」も、略したら「HSP」となるではないか。
我ながらくだらない発見で、真剣に臨床研究しているかたに申し訳ないけど。