69_「もう無理です」と心のシャッターを下ろした新人のモチベーションを上げる方法
皆さま、こんにちは!ようやく暑さも和らいできましたね。夜には秋の虫の声も聞こえるようになりました。
さて、本日はストアカの受講者さまからいただいたご質問にお答えします。いつもご質問ありがとうございます!皆さまの職場でも、ぜひお役立てくださいね。
【質問】
私は社会人6年目のアナリティカルです。今年入社した新人AさんのOJTを担当しています。Aさんはエクスプレッシブ。明るく伸びやかで楽しそうに仕事をしてくれているので、チームの雰囲気もいい感じに変わってきました。新人にもチームを変えるリーダーシップがあることを実感しています。
私は感情表現があまり得意ではないので、大きな声で挨拶をしてくれたり、笑ったりするAさんを見て教えられることもたくさんあり、OJT担当になって良かったと思っています。
ところが、最近少し困ったことがあります。Aさんは業務マニュアルを読みません。私はOJT担当を命じられた時から、すべての業務について
いつ
何のために
どのような仕事をしてほしいのか
それは誰のためで、会社や社会にどのような影響を与えるものなのか
など、Aさんがモチベーション高く仕事に取り組んでもらえるよう、きちんと伝えようと私なりにマニュアルを整備し、準備を整えてきました。
ところがAさんはマニュアルをさっと見るだけで、読んで理解しようとはしません(少なくとも私にはそう見えます)。そもそも、初めて取り組む仕事に必要な情報を読まない人がいるなんて、正直信じられない思いです。それでも、Aさんがミスなく仕事を進められるように細かく丁寧に教えているつもりです。
ところが先日、「いっぱいいっぱいです。これ以上は覚えられません。もう無理です」と言われました。その日以降、目に見えて笑顔が少なくなり、元気がありません。Aさんは、入社してもうすぐ半年を迎えます。まだまだ教えないといけないことがたくさんあります。覚えてほしいこともたくさんあります。
どうしたらAさんが「無理だ」と自分に限界線を引かず、読むべきマニュアルをきちんと読み込み、仕事を覚えようと、もう一度モチベーションを上げてくれるでしょうか。また、周りとのコミュニケーションのシャッターを下ろさずに、前向きに学ぼうと意識を変えてくれるでしょうか。
私の教え方に問題があるのだろうかと、自信を無くしています。アドバイスをいただけると嬉しいです。
【回答】
新人AさんのOJT担当になって半年。きちんと丁寧に指導したいという思いが伝わってきます。マニュアルの再整備も時間がかかって大変だったことと思います。
アナリティカルのあなたにとっては、誰がしても一定の質の仕事をするために、マニュアルは必要なものですね。ミスなく正確な仕事をコツコツと積み上げてこられたからこそ、OJT担当として白羽の矢が立ったのでしょう。
ただ、エクスプレッシブは、前例にとらわれず自分のアイデアを形にしていくことに喜びを感じます。マニュアルを「自分の行動を枠にはめるもの、窮屈な決まり事」と捉えることがあります。入社後、Aさんもご自身なりに会社のルールを理解しようと努力をしてきたことでしょう。少し慣れてきたこのタイミングで、ミスなく細かく丁寧な指導に抵抗感や圧迫感を感じているのかもしれません。とは言え、会社には守るべきルールがあるので、何とかうまい教え方を見つけていきたいですね。
さて、具体的な対応を考えていきましょう。
きちんと理解し守らなければいけないことと、改善の余地があるものを分けて伝える
まず、作成したマニュアルの中で厳守してほしいものは、その理由を含めて伝えてみましょう。例えば、守らなければ生命を脅かすもの、社会からの信頼を無くすものなど。次に、改善の余地があるものについて、ざっくばらんに話をしてください。
「これは新入社員向けに早く会社に馴染んでもらうことを目的に新たに言語化したものです。一度読んで現場で使ってみた後、Aさんなりにこんなマニュアルに書き換えた方が使いやすいと思う点を教えてください。来週月曜日の10時から話をしましょう!」
とあなたの意見、アイデアを教えてもらうとうれしい!と笑顔で伝えてみてください。エクスプレッシブは、自分のアイデアで物事を改善することに対して、とても前向きに取り組んでくれます。
その際、「レポートを出すように」と言うと、それはエクスプレッシブには負担です。雑談の中からいいアイデアを拾い上げるブレストのイメージで明るく・楽しく対話をすることがポイントです。
マニュアルの習得に自由度を持たせる
業務の習得方法に自由度を持たせることもエクスプレッシブの方には有効です。具体的に3つお伝えしますので、可能なものから取れ入れてみてください。
① 楽しく対話をしながら学ぶ
本来、マニュアルは覚えるものではなく使うためのものです。
例えば野球。全体のルールを把握したら、自分の守るべきポジションが内野なのか、外野なのかにより読み込むべき部分や深さが変わります。また、イレギュラー時に何を最優先とするかがチームの勝敗を分けることもありますね。
Aさんとそのような話をして、何かイレギュラーが起きた時にどのような行動を起こすことが組織の利益につながるのか、マニュアルは指針になると伝えましょう。
その上で、入社半年経った今、困っていることはないか話をしましょう。話が色々な方向にぶれるかもしれませんが、まずは楽しそうに聞いてみてください。マニュアルは最初から順番に一から十まで覚えるものではなく、楽しく身につけていくことも必要です。
② 学ぶ場所を固定しない
エクスプレッシブにとって、毎日決められたことを決められた時間に粛々と進めることはモチベーションが下がる要因になります。
許される範囲で、仕事をする(マニュアルに添って教える)場所を時々変えるのもおすすめです。場所が変わると気分が変わります。「どこで学ぶかはあなたが自由に決めていいよ」と伝えて考えてもらうのも、モチベーションアップに効果的です。
③ マニュアルの装丁・中面の一部に遊び心を入れる
タイプによって、学ぶ際に吸収しやすいポイントは異なります。
例えば、マニュアルの文字や仕上げについてアナリティカルは、根拠のある文字情報が並んでいることに信頼性の高さを感じます。
一方エクスプレッシブは、色付き・イラスト付きの楽しさを感じるマニュアルの方がすっと頭に入ってきやすいタイプです。習得度を自己採点するグラフや表を取れ入れて、「このページは色をつけたり、イラストを描いたり、意見や感想を吹き出しの中に書いてもいいよ」と「ここだけは自由にアレンジをしてもいいんだ」と伝えてみてください。楽しさを感じてモチベ―シションが上がります。
きちんと丁寧に仕事を進めるアナリティカルのあなたからすると、Aさんの習得方法はいい加減に見えるかもしれませんが、少し楽しさを取り入れたOJTを考えてみてください。そして、1日1回は二人で大きな声で笑う時間を共有することも、Aさんのモチベーションを下げないために大きな効果を発揮します。
明るく、楽しくトライしてみてくださいね!
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