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65_のんびりペースの取引先とテキパキ上司の間で板挟みになったときの対応方法

皆さま、こんにちは!暑い中にも、遠くに秋の気配を感じるようになってきました。まだまだ暑い日が続きますが、体調に気をつけて過ごしていきたいですね。

さて、本日はストアカの受講者様からいただいたご質問にお答えします。タイプの組み合わせは違えど、同じような状況を経験された方も多くいらっしゃるのではないかと思います。ぜひご覧のうえ、皆さまの職場でもご活用ください!

【質問】
私はアナリティカルの営業職です。お取引先の担当者様は、穏やかで控えめなエミアブル。私の上司は、明るくてテキパキとしたエクスプレッシブです。

 ある企画の提案機会をもらおうと、数的根拠も用意のうえ先方にアプローチをしていますが、進捗はかなりゆっくりペース。進捗状況確認のメールを送っても、なかなか明確な返事をいただくことができません。「社内で共有しますね」「たくさん判断材料になる情報をいただきありがとうございます」と好意的な返信ではあるのですが、話はなかなか前に進みません。

ある時、スピード感に欠ける様子を見ていたエクスプレッシブの上司から「ぐいぐい進めて!」と指示を受けました。

 エミアブルの特徴をふまえると、ぐいぐいと強く押しすぎてもうまくいかないと思っているのですが、上司からはスピード感を求められて何となく板挟みになっています。どのような点に留意して進めればよいでしょうか。

 【回答】
ご質問ありがとうございます。新規案件の提案に向けて、職場でタイプ別コミュニケーション術をしっかりとご活用いただいている様子をうれしく思っています!


タイプ別の特徴を整理してみよう

いったん、お三方の特徴を整理しておきましょう。

まず上司の方は、自己主張も感情表出も高いエクスプレッシブ。周りを巻き込んで楽しく仕事を進めるタイプで、スピード感もあります。そのため、じっくり考える方を見て「停滞している」と感じることがあります。

質問者さまは、論理的かつ丁寧に物事を進めるアナリティカルですね。スピードよりも正確さを大切にするタイプなので、上司の指示を「やや乱暴だ」と違和感を抱くこともあるかもしれません。

 そして、取引先の担当者さまはエミアブル。周りの意見を大切に、全員一致であることを確認して初めて、一歩前に進めるタイプです。

質問者さまは自己主張・感情表出ともに低めのアナリティカル。上司の方と取引先の方は右側の2タイプで三者三様。

コミュニケーションスタイルによって、仕事の進め方も変わる

このように3者のタイプが異なる場合、「それぞれが気になるポイントを押さえて進めていく」ことが大切です。

まず認識していただきたいのは、あなたも上司も、それぞれの進め方は間違っていないということ。それぞれの方が持つコミュニケーションスタイルによって、進め方が違うだけです。どのようなコミュニケーションスタイルを持つかによって、仕事の進め方も異なるということを理解したうえで、お取引先担当者の「提案をお願いします」という言葉を引き出すアプローチ方法を考えましょう!

コーチングの「タイプ違反」とは

コーチングでは、「タイプ違反」という言葉があります。これは、そのタイプの方にしてはいけないアプローチ方法を指します。

たとえば、エミアブルの方へのタイプ違反には

  • 早く決めてくださいと急かす

  • あなたの意見を聞きたいと強く迫る

などがあります。

今回のケースだと、

  • いつになったら結論が出るか強く聞く

  • 短期間で結論を出すことを迫る

ことがタイプ違反にあたります。

エミアブルへのおすすめのアプローチ方法

エミアブルへのおすすめのアプローチ方法は、4つ。

  1. 時間に余裕をもって段階的に進める

  2. 周りの方の意見を大切にしてもらう

  3. 共感のメッセージを多用する

  4. 場を和ませる雑談を用意する

 具体的に見ていきましょう。

  時間に余裕をもって段階的に進める
エミアブルは、自分の判断が周り(自社メンバー)に受け入れられるかどうかを確認してからでないと意見を言いません(言えません)。
そのため、もし8月中に結論をもらいたいときは、「8/24(1週間前)に一度御社のご意向をふんわりお伺いできたらと思います。お電話を差し上げたいと存じますがご都合はいかがでしょうか」など、中間確認地点をセットすると効果的です。
中間地点(8/24)で柔らかく意向が確認できたら、「ありがとうございます。8月中にお返事をいただけると、たいへん助かります」のように、「これ以上引っ張ったらこの人に迷惑がかかるかも」と思わせる言葉を、1回の商談の中で1ヶ所だけ使ってみてください。

 エミアブルの方は、4タイプの中で一番、人に迷惑をかけることを申し訳ないと思うタイプなので、8月中に返事をするために具体的な行動・周りの意見最終調整等をスタートしてくれます。ただし、複数回使うと脅迫と感じるため成果は出にくいので注意が必要です。

②周りの方の意見を大切にしてもらう

「周りの方の意見を大切にしてもらいたい」というあなたの気持ちを伝えます。エミアブルは職場に波風を立てず、全員一致で物事を穏やかに進めたいタイプ。その点を理解してくれる相手との仕事を好みます。

 たとえば、「本件を進めるにあたって、御社の皆様のご意向はいかがでしょうか?」「〇〇様と同じ考えの方は多いですか?」と聞くと、安心して少しずつ状況を教えてくれます。それらをひとつひとつ丁寧に受けとめてください。エミアブルの気持ちを動かすのは、安心感です。

③ 共感のメッセージを多用する
「どのようなお手伝いをさせていただくことが、○○様の安心感につながるのか教えていただけると嬉しいです」「ありがとうございます。その点をご不安だとお考えですね。他社の方にもよく聞かれるポイントです」「一緒にいいものにしていきたいと思っています」など、相手の気持ちに寄り添うメッセージをメールに多用すること。エミアブルは、想い(感情)のこもった文章を繰り返し読みます。共感・安心感を伝える言葉を意識して多めに使いましょう。 

「私はあなたのサポーターです」というニュアンスを伝えることは、たいへん有効です。また、対面・オンラインに関わらず顔が見えるときには、とにかく穏やかに微笑みながら話をしてください。私はあなたの気持ちに丁寧に寄り添います、という気持ちが伝わるよう表情に気をつけてください。

④場を和ませる雑談を用意する
対面でもメールでも、いきなり「本件についての結論をお聞かせください」と迫ると、エミアブルは急かされていると感じて思考停止状態になります。お天気のことや自己開示につながること(私は関西出身なのですが、京都で祇園祭が始まると夏がきたなと感じます、など)場を和ませる雑談を用意しておきましょう。

エクスプレッシブへの配慮のコツ

最後に、エクスプレッシブの上司に対しての配慮も忘れずに。さくさくと物事を進めたいエクスプレッシブに対しては、進んでいるということをざっくり伝えておきましょう。「8月中には結論を報告します。楽しみに待っていてください!」と大きな笑顔で明るく伝えると、あなたのことを信頼して任せてくれます。

 タイプ別コミュニケーション術は、1対1はもちろん複数の方とのコミュニケーション構築にも有効です。相手のタイプをしっかり見分けて、信頼関係を築いていってくださいね。本日もご質問をありがとうございました!

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