ホサナ

まず文庫の見た目が聖書。

ポケットサイズの、よくホテルの引き出しとかに入ってるやつ。ポケット六法の雰囲気もありつつ。

相変わらず名前のセンスが図抜けていて、ヨメコビドッグパークとか日本くるぶしとかリズムも字面も笑える。

ただ、町田康作品としては、私としては笑いが少なかった。電車の中で読めない系の笑いが。

最近、氏は、古典の口語訳に傾倒しているようなので、だいぶ作風がそっちに引っ張られているのではないか。

SFの度合は筒井康隆を彷彿とさせる部分があり、キライではないが私には突拍子もなさ過ぎるというか、手に負えないと感じてしまうところがあり、それは私の責任なので多くは語らない。語れない。

とは言うものの引っかかったところがあるにはあり、それは「同じこと何回も言ってないっすか?」という点で、言い方を変えてダメ押す、といった類のものではなく、本当に同じことを2ページ後ぐらいに繰り返すというのが幾つかあり、そんな凡ミスがthroughされるはずはないので意図的なものと思われるが、その真意は測りかねた。

しかし900ページ余りを読み終えた自分を、書いた本人よりも褒めてあげたいと思わせる何かがこの作品にはある。

読了。といった感じの。

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