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お客様は神様です
昨今、カスハラ(カスタマーハラスメント)のニュースをたくさん見受けます。中には恐喝なり暴力なり明らかに犯罪行為と思われるものもあります。
そんな中、こう言われるようになりました。
お客様は神様ではありません。
あのような映像を見たら、とてもそんな人に敬意を表したくなくなります。なので、その気持ちはわかります。
ですが、敢えてここでもう一度言わせてもらいたいのです。
お客様は神様なんです
と。
世界に誇る日本のホスピタリティ
我々が当たり前にやっている、お客様を大切にする気持ち。これが海外からは非常に高い評価を受けています。
そして、これは世界をリードしてこの「おもてなし」を広めて行くべき国、それが日本なのです。
しかし流れは「お客様は神様ではありません」という方向にあります。ここで言いたいのが
お客様は神様なんです
ということです。
これを誰に言いたいか? それはまさに私たちお客様に対して言いたいのです。
神様に相応しい行動をしていますか?
日本の文化、魂が敬意を表してお客様を神様、として崇めていたのなら、もともとお客様はそれに相応しい行動をしていたはずなのです。
しかしいつしか、その「おもてなし」を当たり前に感じて、ありがたさを忘れていませんか?
・お金を払っているんだからサービスは良くて当たり前
・よくないサービスをされたら、どうせ他の店行くから
・ありがとうございます、と言われるのは当たり前、なぜならこっちはお金を払っているお客なんだから。
こんなことを無意識に感じていませんか?
何を隠そう、私がそうでした。
ほとんどのサービスがお金に反映しない
特に我々医療従事者は、もし無愛想な対応をしても、冷たい対応をしても、他に行く病院がそうたくさんあるわけではないので、きっと患者さんは来るんです。
それでも看護師は笑顔を絶やさず、困っていることがあれば力になろうとします。これはお給料には反映されない完全なる自発的な行動です。
それと一緒で、お店でにこやかな対応をしてくれる店員さん、困っているときに力になってくれたスタッフ、この行動全てがお金に反映しているというわけではありません。
人に対して気持ち良い時間を過ごしてほしい、相手に幸せになってほしい、そういった気持ちで行なっている行為も多く含まれます。
それを忘れてはいませんか?
お客が「ありがとう」と言っても良いんじゃない?
何かを買ったり、料理を食べた後、必ずスタッフは「ありがとうございました」と言います。
言われてばかりではなく、こちらから「ありがとうございます」と言ってみませんか?
忙しい中、声を張り上げて、私たち個人に感謝してくれる、そのことに感謝してみませんか? 私たちだって、この方達がいなければ必要なものを得られないのですから。
そして「ありがとう」と言うと、不思議と心が温かくなります。そしてさらに優しい気持ちになれるのです。一度やってみてください。
なんでも我慢しろ、というわけではない
ただここで気をつけなければならないことがあります。
昨今のカスハラ問題で、ほとんどの人が感じていることです。
気になったことを言おうとしても、カスハラと言われるのではないか
カスハラで問題になる人は本当にごく僅かでほとんどの人は誠意を持って接していると思います。しかし、カスハラの議論が加熱するに従って、こちらが嫌な思いをしても声を出せない、ということがあります。
ここで言いたいのは、それを我慢することが神様になる、ということではないということです。
たとえ、改善案だったとしても、自分のためというより、今後のサービス向上のため、そして同じような気持ちをしてほしくないから、という思いであれば客観的に伝えるのは大事なことだと思います。
ただ、こちらの意見を言う時はいくつか気をつけることがあります。
正しいクレームのつけかた
・日時、時間、店舗名をなるべく正確につげる
→ 今後改善するためにも、これらがわからないと誰がやったのかわかりません。
・自分のための感情を吐露する場ではなく、客観的な言葉を用いて、あくまでサービスの向上を目的とすること
→ 感情的な言葉は内容が伝わりにくく、排除されやすくなります。
・個人的に言うのではなく店舗全体の窓口を利用すること
→ 実はその横柄な態度が、劣悪な環境のせいかもしれません。向上のためにも会社の窓口に内容を伝えるようにしましょう。
・不特定多数の人が閲覧する場にはなるべく公表しないこと、そして自分が見る時もその内容は鵜呑みにしないこと
→ 本当にサービス向上を期待するなら、直接店舗の窓口に伝えるべきです。またその内容は一方的な内容で、相手方が反論できない状態の情報となってしまいますので望ましくありません。
お客様は神様です、と今後も言い続けられるよう、お互い気持ちよい対応をしていきたいですね。