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「悪口」が自分の印象を損なう理由
「人の悪口を言うと嫌われる」と昔から言われています。
これって本当なのでしょうか?
もし本当なら周りに悪い印象を与えたくなければ、当然悪口は言わないほうが良いということになります。
今回は、悪口が良くないとされる根拠について解説したいと思います。
オハイオ州立大学でこのような実験があります。
被検者にある映像を見せます。
「Aさんが動物虐待をしていた」と、Aさんについての悪口をBさんが言っている映像です。
映像を見た後、被検者にAさんとBさんのどちらによりネガティブな感情を抱いたかを聞きました。
結果は、動物虐待をしていたAさんよりも、その悪口を言っていたBさんの方にネガティブな感情を抱いたと答えた被検者が多かったのです。
この心理メカニズムは「その場の雰囲気」を「見えたもの」に投影するためと説明され、「自発的特徴変換」と名付けられました。
動物虐待というネガティブな雰囲気を、それを語っているBさんに移し変えられて印象づけられてしまう。
ダークな雰囲気の映画作品の主人公役の役者に対する印象はダークになりがちです。
しかし、作品がアカデミー賞を受賞し、華やかな雰囲気の授賞式で見る主人公役の役者の印象はとても良い。
自発的特徴変換が起こる原理は、原始時代の頃からの脳の習性から考えることができます。
猛獣が潜んでいそうな恐怖を感じる茂みを目にして、「あのような茂みには近づくまい」とする。
身の危険を避けることを最優先する時代ですから。
恐怖を感じる雰囲気と茂みをセットで記憶して、似たような茂みを避けることを脳が学習するのです。
人の脳は原始時代の頃からほとんど変わっていませんから、現代でも同様の作用が働くわけです。
いろいろ説明してきましたが、悪口というのは自分の印象を損ないます。
誰かのうわさ話をするのであれば、その人のことを褒めるほうが圧倒的に自分に有利になります。
誰かのこと(良い人格、良い行ない、良い成果などの好印象のもの)を褒めていると、褒められている人の良い雰囲気があなたに移し変えられて、結果的に周囲からのあなたの印象が良くなります。
今回は、「人の悪口を言うと嫌われる」ことを自発的特徴変換で説明しました。
うわさ話をするなら、悪口ではなく褒めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師