人間関係の基本「ネームコーリング」
今回は、「ネームコーリング」について。
ネームコーリングとは、人の名前を呼ぶこと。
相手に親近感や好意を示すことになり、結果的に相手からの好感を得やすくなる効果があります。
自分の名前を呼ばれるのって、うれしいですからね。
名前はその人の極めてパーソナルなもの。
大切に対応されている感じを受けます。
名前を憶えてもらえていると感動しますよね。
だから、人間関係を良好にする秘訣は、相手の名前を呼ぶことです。
と、まあ当たり前すぎることを言っているのですが。
ただ、このことも言いたいです。
ちゃんとできていますか?
大事だとはわかりつつも、意外と相手の名前を呼ぶという基本の行為ができていないっていうこともあります。
「あの~」と名前を省略して話しかけたり。
「あなた様は~」と人称代名詞を使ったり。
名前を思い出せなくて、ぎこちない間ができたり、最悪言い間違えたりすることも。
自然に相手の名前を呼べるようにしたいものです。
そこで今回は、名前を呼びやすくなるちょっとしたコツをお話します。
ネームコーリング効果については、アメリカでこのような実験があります。
男女に15分間の会話をしてもらいました。
会話の最中に相手の名前を呼んだ場合と呼ばなかった場合とで、相手への印象の変化を観る比較実験です。
結果は、会話中に相手の名前を呼んだほうが、「社交的」、「フレンドリー」、「もう一度会いたい」といった好印象を抱いたそうです。
ネームコーリングが人間関係に良い効果をもたらすのは、相手に自己重要感を与えることにあります。
人は自分のことを重要な存在だと思いたい、大切に扱われたいと切に願っています。
この自己重要感を満たしてあげる行為は様々ありますが、最も簡単なのがネームコーリングです
生まれてからずっと持ち続けている、極めてパーソナルな自分の名前というものを憶えてもらい、呼ばれること。
これによって、わかりやすく自分を大切に扱われていると感じるのです。
人は自分に好意を向けられると、その相手にも好意で返したくなります。
これは返報性の法則と呼ばれる心理現象です。
ですので、ネームコーリングは結果的にお互いに好感を抱き、良好な人間関係につながるのです。
さて、本題である名前を呼びやすくなるちょっとしたコツについてです。
ネームコーリングの重要性はわかっていても、いざパッと自然に相手の名前を呼べないことが意外とあります。
簡単です、これをいつもやるとよいのです。
初めのあいさつの時に相手の名前を復唱するのです。
「はじめまして○○です」
とあいさつされたらすぐに、
「○○さんですね」
と復唱するのです。
「○○さんですね。よろしくお願いします」
こうやって一度相手の名前を口にすると、その後も口にしやすくなります。
会話の中で何度も名前を呼ぶことになり、印象も良くなるし、記憶にも残りやすくなります。
また次にお会いしたときにすぐに名前が出てきます。
簡単ですよね。
最初にお会いした際のあいさつで名前を復唱するだけ。
ちょっとしたコツですが、ぜひやってみてください。
今回は、相手に自己重要感を与えるネームコーリングについて、また名前を呼びやすくなるコツとして、最初のあいさつで名前を復唱することについてお話しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師