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職場でプライベートを聞きまくる人の心理と対処法
「職場でプライベートなことをしつこく聞いてくる人がいて困る」という相談を受けることがあります。
プライベートを詮索したがる人。
人の懐に入ってきて、職場内の人間の細かい情報を把握しているようなタイプ。
とくに仲が良いというわけではないのにとにかく聞いてくる。
しかも、おしゃべりなので人の私的な情報を広めてしまう。
仕事に関係ない私的な内容を必要以上に開示したくはないものです。
それでも、しつこく時にさりげなく聞いてくるので、うっかり答えてしまって後悔することってありませんか?
今回は、そのような職場でプライベートを詮索したがる人の心理と対処法についてです。
そういう人は、家庭のことや生活のことを根掘り葉掘り聞いてきます。
「ご主人はどんな仕事をしてるの?どこに勤めてるの?」
「お子さんはどこの学校に行ってるの?」
「どんなお家に住んでるの?」
どうしてそんなことを話さなければいけないのかと思いつつ、しつこいものだからつい話してしまう。
そして、おしゃべりなので聞いたことを他の人に話されます。
「○○さんのご主人って△△で働いているらしいよ」
「○○さんのお子さんは△ランクの高校に通っているらしいよ」
自分のプライベートなことを他で話されていると思うとつらいですよね。
逆に他の人の個人的な話を当人がいないのに聞かされるのもつらい。
気の毒に思うし、自分もこうやって他で話されているんだと思います。
職場内の人間の詳細な情報を把握して披露する。
やれやれ…
プライベートを詮索したがる人にはこのような心理があります。
「自分の価値」を上げようとする心理。
まず自分自身に価値を見出しにくいため、外部的な要素を通じて「自分の価値」を証明しようとします。
自分の夫の職業や収入、子どもの学歴、車や家といった持ち物などによって。
そして、他人のそれらのものと比較することで優越感を持ち、「自分の価値」を引き上げようとするのです。
自分の家庭や状況が他人より「上」だと感じることで、「自分の価値」を上げようとします。
逆に、自分より「上」だと思える社員に対しては、欠点を見つけてバランスを取ろうとします。
「○○さんのご主人は大したことない」
「△△さんの子どもは普通の学校」
など、他人の状況を分析し、自分の立場を上げます。
また情報通になることによっても「自分の価値」を上げようとします。
いわゆる社内のおしゃべり屋。
「○○さんて△△らしいよ」
「○○さんのお家ってね…」
他の人のことを言いふらし、自分は職場内で何でも知っていると誇示するわけです。
それでは、プライベートを詮索したがる人へどのように対処したらよいか?
① 詮索してくる人自身の話題に焦点を当てる
このような人たちは往々にして自慢話をしたがります。
相手の家庭のことなどに話題を向けてその人の話をしてもらうのです。
優越感を持ちたいという心理を逆手に取るわけです。
何か質問されたら最小限の事しか答えず、すぐに「向けられたマイクを質問してきた相手に向け直す」のです。
自慢話を聞かされるのも気分は良くありませんが、自分の話を引き出されるよりはマシ。
② ぼんやりした回答をする
質問されたことに対してまともに答えないことです。
「夫の仕事?普通の会社ですよ」
「子どもの学校?特に変わった所じゃないですよ」
あえて話が通じにくい人を演じるのもよいでしょう。
「夫の仕事の話はなんだか難しくて聞いているといつもチンプンカンプン。宇宙人と話しているみたい。宇宙で仕事してるのかな?」
質問とずれた回答をしてどんどん逸れていくのです。
わざと会話でミスコミュニケーションを起こして、相手に「めんどくさっ」と思わせるテクニック。
③ きっぱり拒否する
このような相手にはきっぱりと拒否することが一番です。
「仕事に関係のないことには答えたくありません」
「誰かのうわさ話は仕事とは関係ないので聞けません」
相手が怒って自分の陰口を言いふらすことが心配かもしれません。
でも、周囲はその人のことをわかっていてうんざりしているはずなので、気にしなくて大丈夫です。
自分の取る行動を信じて毅然とした態度でいれば、周囲は信用してくれるものです。
今回は、職場でプライベートを聞きまくる人の心理と対処法についてでした。
他人を使って「自分の価値」を上げようとしてくる人に惑わされずにしっかり自分を保って働きましょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師