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面接で相手の本心が垣間見える瞬間

今回は相手の本心の探り方を一つ紹介します。
 
 
本心の探り方なんて言うと、大げさでいかにも心理術のような感じですが、切実な仕事場面を想定して説明します。
 
採用面接で面接官が応募者を見るという場面です。
やったことがある人ならわかると思いますが、一度の面接で面接官が応募者のことを見極めるのはかなり難しいことです。
 
私も組織で働いていた頃に一部門の責任者をしていた時期がありました。
当然新しいスタッフを採用する時に面接を担当していました。
 
やっぱり難しいものですよね。
応募者はなるべく自分を良く見せようと取り繕うわけですから。
取り繕い方が洗練されていると、素の部分が見えにくくなります。
 
職歴や仕事のスキルがありそうかはつかめるかもしれません。
ただ同時に見極めたい重要なのが、一緒に働きやすい人かどうかということ。
自分たちのチームに協力してくれて気持ちよく一緒に働くことができる人かどうか。
 
手掛かりになるかもしれない一手法をお伝えできればと思います。
相手の素の部分を見るための参考になればと幸いです。




自分を良く見せようと取り繕っている人でも、1時間くらい話していると一瞬だけ素の部分が出る瞬間があります。
 
短い時間かもしれませんが、その時に相手がとる態度は、今後関わるその人の人柄を示唆することがあります。
直感的なものかもしれませんが、自分のそのような感覚を信じることも大切です。
 
この素の部分が出る瞬間というのは、安心しかけた時に訪れやすいです。
無防備になるのでしょう。
 
この安心しかけた瞬間に不意に質問されると、つい素で答えてしまうようです。
 
 
『古畑任三郎』という刑事ドラマがありましたね。
三谷幸喜さん脚本、田村正和さん主演の人気ドラマ。
私も好きで見ていました。
 
刑事の古畑任三郎が犯人の本音を引き出すシーンがドラマに散りばめられています。
 
「すみません。時間はとらせません、すぐに済みますから」と古畑が犯人にいろいろ質問をします。
すべての質問が終わり、「ありがとうございました。では私はこれで帰りますね」と帰りかけて、犯人が安心した時に古畑はふり返ります。
 
「ああーそうだ。もう一つだけ聞き忘れたことがありました」
「ところでなぜあなたはあの時こう言ったのですか? それがどうしても気になって」
 
不意に犯人の痛いところを突くのです。
 
その後の犯人の反応から古畑は何かの確信を得るのです。
 
古畑任三郎の手法は犯人が安心しかけた時に不意に質問をしてボロを出させるというものです。
これは巧妙なテクニックですよね。
 
 
このテクニック、採用面接の時にも使えるのかなと思います。
 
一通り聞きたいことを質問して、面接が終わったと応募者が安心しかけた時に不意に質問をする。
「ああ、もう一つだけ聞きたいことがありました。大したことないですけど、すぐ終わりますので」と。
 
その時の反応が面倒くさそうとかイラっとしたものなど、ほんの少しでもネガティブな要素が垣間見られるかもしれません。
いずれにしても素の状態が出やすいのです。
 
この時に「一つだけ」「大した質問ではない」「すぐ終わります」などの言葉でハードルが低い質問をすると、無防備のままで反応しやすくなると思います。
 
 
面接場面での話をしましたが、日常場面でも応用できるのではないでしょうか。
 
例えば、相手が嘘をついていそうな時の会話で。
浮気をしているのではないかと探る時など。
 
話が終わって相手が安心しかけた時に不意の質問で反応を見てみる。
 
あくまでも直感的なものにはなるのですが。
 
 
補足です。
 
面接は最初から応募者が安心して素も出しながら話せるように心がけたほうが当然良いと思います。
私もそうしていました。
 
そうやっても実際のところが見えないなと感じたら、こんな方法もあるとご参考程度に。
 
 
今回は、面接で相手の本心が垣間見える瞬間、という話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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