
傾聴でうざくない「オウム返し」をするには
相手との信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルの一つに「オウム返し」があります。
傾聴する時によく使われるものです。
相手の話を繰り返すことです。
会話の中で相手の言葉や話のキーワードを、オウム返しに相手に伝え返していくというもの。
相手 :「昨日の会議でAさんとプロジェクトを組むことが
決まったよ!」
あなた:「Aさんとプロジェクト組むんだね」
人は自分の言った言葉や内容を相手に繰り返して言われると、理解された気持ちになって安心感を覚えます。
そこには2つの心理作用が働いていると考えています。
類似性・・・自分と共通点があり似ている人に親近感や好感
をもつ。
肯定感・・・自分の言った言葉を繰り返してもらうことで肯
定されたと感じる。
しかしながら、「オウム返し」はやり方によっては、相手が単調でうっとうしく感じてしまうことがあります。
でも「オウム返し」は工夫することでそのようなうっとうしさはなくなります。
今回はそのためのポイントをお伝えします。
日常の会話の中で相手とコミュニケーションを取りやすくなるのでご参考にどうぞ。
単調でうっとうしくなる「オウム返し」の例。
相手 :「昨日仕事でミスしてしまったことがショックで」
あなた:「昨日仕事でミスしてしまったことがショックなん
ですね」
単に繰り返されてうっとうしい。
では、うざくならない「オウム返し」の仕方とは。
それは、「キーワード+α」です。
キーワード+α(肯定・促し・質問)
それぞれに例を挙げて説明します。
①キーワード+肯定
相手 :「A先輩の仕事の考え方、好きなんですよね」
あなた:「A先輩の考え方、いいですよね(肯定)」
「A先輩の考え方」というキーワードの繰り返しの後に「いいですよね」と肯定する言葉を加えています。
「私もそう思う」
「よくわかります」
「いいじゃないですか」
「それは良かった」
などの肯定の言葉。
②キーワード+促し
相手 :「昨日会議で例の企画のプレゼンしましたよ」
あなた:「例の企画のプレゼンですね、それでそれで(促
し)」
「例の企画のプレゼン」というキーワードの繰り返しの後に「それでそれで」と促す言葉を加えています。
「それで」
「それから」
などのもっと聞きたいという促しの言葉。
③キーワード+質問
相手 :「課長の私へのあの言動はパワハラだよな~」
あなた:「パワハラ、どんなこと言われたの?(質問)」
「パワハラ」というキーワードの繰り返しの後に「どんなこと言われたの?」と質問する言葉を加えています。
「どんな気持ち?」
「どうなったの?」
「詳しく教えて」
などのもっと知りたいという質問の言葉。
このように相手の話の中でキーワードになる言葉を拾い上げてプラスαで肯定・促し・質問の言葉を加えます。
すると、単調でうっとうしい「オウム返し」ではなくなり、相手に関心を持って理解したいことが伝わる返しができるのです。
会話で取り入れてみるとコミュニケーションがより良くなるのでお試しください。
今回は、傾聴でうざくない「オウム返し」をするには、キーワード+α(肯定・促し・質問)という返し方を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師