タイムプレッシャーを自分に与える
今回はタイムプレッシャー法について紹介します。
締め切りがあいまいだと、終わるはずの仕事も終わらないということはよくありませんか?
なんとなくダラダラとその仕事をして、気がつくと長い時間を要しているなんてこと。
私たちはある程度の負荷が自分にかからないと、集中して効率よく仕事ができません。
制限時間を決める必要があるのです。
脳科学者の茂木健一郎さんの言う「タイムプレッシャー法」がとても役立つので紹介します。
集中力を高めて仕事や勉強の効率を上げたい、大事な時間を意識して過ごしたい方の参考になればと思います。
「タイムプレッシャー法」とは?
自分で時間を決め、負荷をかけることで集中力が増し、脳のパフォーマンスを上げる方法です。
制限時間をあえて設けることで自分にプレッシャーをかけるのです。
茂木健一郎さんは、タイマーを使って、タスクごとに制限時間を決めて取りかかることを勧めています。
スマホにもタイマーのアプリがありますが、アプリを立ち上げて時間を入れてと手間です。
そのため、手にとってすぐにボタンを押せる、普通のタイマーがおすすめです。
プレッシャーがかかると、ノルアドレナリンという神経伝達物質が分泌されます。
体や心が戦闘態勢になった時に出るホルモンです。
集中力が高まるのです。
そして目標の達成に向かう時に、ドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。
報酬を求めるときにこのドーパミンが出ます。
意欲が高まるのです。
時間を制限することには、このような神経伝達物質の作用があります。
時間設定は、「ちょっと難しい」くらいにすると脳のパフォーマンスが高くなるそうです。
自分にはちょっと厳しいかなという時間をあえて設定して挑戦することで、パフォーマンスを最大化できます。
パーキンソンの法則というのをご存知でしょうか?
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
つまり、それ程時間をかける必要のない仕事でも制限時間が長ければ、時間分だけ仕事をやってしまう。
時間があると、それ程精度が求められていない資料作りに時間を費やしてしまう。
締め切り期間が長いと、いつまでもダラダラとタスクをしてしまう。
ですので、制限時間を設けることは無駄を省く一つの方法なのです。
私もタイマーを生活に取り入れてきました。
公認心理師という国家資格の試験勉強をしていた時もタイマーを使っていました。
時間を設定して、この時間でテキストの何ページから何ページまで読むぞ!と。
タイマーが鳴ると、ひと休みして、またタイマーで測ってテキストを読むことの繰り返し。
こうすると、集中力が出て勉強できたのです。
ページ数をあえて多めにします。
私は文字を読むのが遅いので、こんなページ数は自分には無理じゃないかと思いながらやってみます。
すると、ノルアドレナリンとドーパミンが出て挑戦的になって、読めてしまうのです。
感動しながら、やる気になって、繰り返し読んでいくのです。
このように勉強でも使えますし、生活場面(掃除、雑用などいろいろ)でもタイマーを使って、タイムプレッシャー法を活用できます。
今回は、あえて時間制限を設けて自分に負荷をかけることで仕事や生活の質を高める、タイムプレッシャー法を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】
『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』(茂木健一郎 PHP研究所)
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小林いさむ|公認心理師
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