人間関係を悪くする致命的な7つの習慣
今回は、人間関係においてやってはいけないことについてお話します。
人に対してこれをやってしまうと、人間関係が壊れますよ、ということです。
人間は本来的に誰かからコントロールされることに反発します。
このことを押さえておかなければいけません。
そのうえでやってはいけない人間関係を悪くする7つの習慣、身につけたい7つの習慣を挙げます。
家族関係から友人、職場などのあらゆる人間関係に共通しますので、参考にしてみてください。
まず、心理的リアクタンスという現象を理解しましょう。
人は自分が自由に選択できると思っていることに対して制限や強制をされると、抵抗や反発感情が生じる現象です。
人は自分の行動や選択は自分自身で決めたいという欲求を本来的に持っています。
それを他人に決められたり、選択の自由を制限されてしまうと、反発したり自分の意見に固執したくなる傾向があるのです。
親に「宿題をやりなさい」と言われて、言われなくてもやろうと思っていた子どもは反発するようにすぐには宿題をしない、というのも心理的リアクタンスが働いています。
ここで『北風と太陽』というイソップ寓話を紹介します。
(知っていると思いますが、あらためて)
ある時、北風と太陽が力比べをしようとしていました。
そこで、通りすがりの旅人の上着をどちらが先に脱がせることができるかという勝負をすることなります。
まず、北風が力いっぱい吹いて、旅人の上着を吹き飛ばそうとします。
しかしながら、寒さを嫌う旅人は上着をしっかり押さえてしまい、脱がせることができませんでした。
次に、太陽が暖かな日差しを照りつけます。
すると旅人は体が温かくなり、自分から上着を脱いで、太陽が勝利するという話です。
この寓話の教訓。
人に行動させたいときには、北風のように強引な厳しいアプローチをしても、相手を意固地にさせたり反発させたりするだけ。
太陽のように、穏やかに暖かなアプローチをすることが肝心であるということです。
心理的リアクタンスを抱かせないようにアプローチすることがいかに大切か『北風と太陽』の寓話からわかります。
心理的リアクタンスを生じさせる具体的な行為を挙げます。
ウィリアム・グラッサー博士による、「致命的な7つの習慣」です。
1.批判する
2.責める
3.文句を言う
4.ガミガミ言う
5.脅す
6.罰する
7.褒美で釣る
いずれも力でもって相手を変えようとする行為です。
これらをやってしまうと、相手に抵抗や反発を抱かせることになります。
一方でグラッサー博士は人間関係を良くする「身につけたい7つの習慣」を挙げています。
1.相手の話に耳を傾ける
2.支援を与える
3.受け入れる
4.励ます
5.尊敬する
6.信頼する
7.意見の違いを交渉する
相手をコントロールしようとしない、受容的な行為です。
相手に変わってほしいときこそ、このような対応を大切です。
普段から心がけていれば、良好な人間関係を築くことができます。
人には自尊心を高めたいという根源的な欲求があります。
その欲求を満たしてくれる関わりをしてくれる人のことを好きになるものです。
暖かく受容的な「太陽のアプローチ」を身につけましょう。
今回は、良好な人間関係を築くために心理的リアクタンスを理解し、「致命的な7つの習慣」を避け、「身につけたい7つの習慣」を持ちましょうという話でした。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師