攻撃的な人の自尊心の低さについて
攻撃的な反応に出やすく、やっかいな人は、あなたの周りにもいると思います。
ちょっとしたことで怒り出す人。
何かにつけて人を打ち負かそうとする人。
すぐにマウントをとろうとする人。
でも、打ち返してやろうと攻撃に対して攻撃で返すのは得策ではありません。
単に争わないほうがいいのはもとより、攻撃的な人の心理を理解しておくべきだと思うからです。
今回は、攻撃的な人の心理を考えてみます。
理解しておくだけでも間違った対応をとらなくてすむので参考にしてみてください。
攻撃的な人は、傲慢そうに思えて、実は自尊心が低いのです。
もともと低い自尊心をさらに傷つけられないように防衛的になっているのです。
攻撃はその防衛的反応。
そもそも自尊心というのは、単なるプライドではなく、人間の尊厳にかかわる重大な要素です。
すべての人の中には、「自分を大切に扱ってほしい」という強い願望があります。
自分の自尊心が満たされて、初めて他人に意識を向けて友好的になれるのが人間なのです。
何らかの理由で自尊心の傷つきがあると、防衛的反応として攻撃的になることがあります。
自分を守る唯一の方法が自分の自尊心が傷つく前に相手を攻撃することだからです。
ですからそのような人へ、攻撃に対して攻撃で返すとかえって防衛的になるわけです。
心理相談の仕事をしていますと、人に対して攻撃的な態度をとってしまい、対人関係がうまくいかないという相談もあります。
ある相談者の言葉が印象的でした。
子どもの頃に周りから大切に扱われなくて、そのトラウマを大人になっても抱えているのだそうです。
自尊心が満たされないまま、傷つけられるのを恐れてきたと言います。
本当は人を攻撃したいのではなくて、自分のことを大切に扱ってほしいのだと。
「愛される存在ではなく、恐れられる存在でいようとした」と。
攻撃的な人に対して、うまくつき合うのは難しいとは思います。
しかし、心理を理解しておくことで攻撃し返さないという対応をとることができると思います。
今回は、攻撃的な人の自尊心の低さについて考えてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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