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知識マウント欲を抑えよう

今回は、「知識マウント」を取らないほうがいいですよという話です。
 
 
「知識マウント」というのは、自分のほうがその事についてよく知っているよと、相手よりも知識で優位に立とうとする行動を指して使われることがあります。
 
自分のほうが優位に立てると気分がいいですからね。
 
気分良くなることが目的ではないにしても、自分のほうがその事について知識があり、相手の知識に間違いがあるなら指摘したくなります。
 
しかしながら、マウントを取ってしまうと、相手との関係が微妙になるときがあります。
必要がなければ、あえて知識マウントを取らないことが得策です。
 
そのような話をします。




私はブリーフセラピーという心理療法を学び、「ブリーフセラピスト」という資格を持っています。
そのブリーフセラピストの資格を取りたてのときの話です。
 
職場の同僚と会話しているときにその同僚からブリーフセラピーの話が出てきたのです。
得意げに「ブリーフセラピーだとこう考えます」と話していました。
 
私が聞いた印象だと、心理学雑誌に取り上げられていた記事を読んだ程度の浅い知識のようでした。
所々、少し解釈が間違っている部分もありましたし。
 
私のほうがブリーフセラピーに詳しく、時間とお金と試験にコストをかけたということもあって、間違いを指摘したい欲にかられました。
 
けれど、なんとか抑えることができました。
 
もし同僚がこれからブリーフセラピーを学びたいくらいの気持ちがあるなら、指摘したと思います。
しかし、ぜんぜんそうではなさそうだったので、わざわざ指摘はしませんでした。
 
それよりも同僚の話を聞くことで、人に認めてもらいたい欲求を満たしてあげられるかなと思いまして。
 
ひとしきり話し終えてから、同僚から「小林さんはどう思いますか?」と意見を求められ、自分の意見をちょっと話すと、「よく知ってますね」と感心されました。
 
結果的に同僚から評価されたので、そのくらいの返しで充分だなと思いました。
 
 
人には承認されたいという欲求があります。
 
知識を披露したいという気持ちは当然私にもあります。
しかし、それは誰もがそうで、目の前の相手も同じ。
 
人間関係で大事なことの一つは相手に自尊心を与えられる存在に自分がなること。
この人といると自尊心を感じられると相手に思ってもらえると、結果的に自分の評価は高まります。
 
「知識マウント」で相手の自尊心を下げないように要注意です。
 
 
 
今回は、知識マウント欲を抑えよう、という話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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