変化を見逃さず相手の不調に気づいてあげる方法
自分が疲れていたり、調子が良くなかったりした時にそれに気づいてくれる人がいると、それだけで心が少し軽くなりますよね。
「疲れている」と言いにくいのだけれど、気づいて声をかけてもらえるような体験をすると、「自分もそんなふうに人の不調に気づいてあげられる人間になりたい」って私はよく思います。
以前、職場の部署内の人間関係で本当に疲れた日があって、他部署の同僚とたまたま会った時に一瞬で私の状態がわかったようです。
「小林さん、疲れてますよね」と言われました。
「別に疲れてませんよ」と返したのですが。
「疲れている眼をしてますよ」と言われました。
心配されないようにしたかったのですが、その時は自分の状態に気づいてもらえてすごくうれしかったのです。
「疲れている時の目」というのはどういうものなのか。
充血しているとか、うつろな目とか、何か特有のものがあるのかもしれませんが、結局その同僚から聞くことができませんでした。
(それ知りたいって今さらながらに思いますが)
それでもその後、私なりに不調の相手の変化に気づくには、どこに着目すればいいのかを考えてきました。
その結果、これだと思う着目点があるので、紹介しますね。
相手の不調に気づくには、何が変化したかということに着目するのではないのです。
そうではなく、
普段の状態を知っておくことです。
常日頃から人のことをよく見て、これがこの人の通常の状態なのだなというのを把握しておくのです。
そして、その状態から少しでも変わった様子があれば、気にしてみるのです。
イレギュラーな変化に着目するのではなく、レギュラーの状態を把握し、その違いにだけ気づく。
普段からよく見ておくことがいかに大事か。
仮に疲れているわけでもなく調子が悪いわけでもなく、逆に調子が良いという変化の場合もあります。
的外れにならないように、「今日はいつもと違うけど、どうかしたの?」と聞けばいいのです。
普段の状態を観察するには、言葉や発言内容よりも見た目や声の調子にフォーカスします。
発言内容は意識的に偽ることができます。
(心配されたくない私のように)
一方で見た目や声の調子は、意識ではコントロールしきれないので本心が出やすいのです。
これは「メラビアンの法則」が当てはまりそうです。
人に与える印象は、
表情55% 声の調子38% 言葉7%
大昔から言葉よりも表情や声色の方が真実を語るために、脳がそっちを印象づけるように発達してきたのではないかと思わせるほど。
(実際はどうかわかりません。推測ですので)
「目は口ほどに物を言う」のであなどれませんね。
相手の不調にすぐ気がつける人間になりたければ、普段の状態を知っておくこと、そして特に表情や声の調子に着目して記憶しておくこと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師