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人に話を聞いてもらえる方法「実体験の共有」

今回は、人に話を聞いてもらう方法について。
 
 
提案や助言など人に話を聞いてもらいたい時。
考えを押しつけられた、自分を否定されたと相手に受け取られると、抵抗感が生じて聞いてもらいにくくなります。
 
相手を否定せず、上から目線にならずに上手にこちらの考えを聞いてもらう方法を一つ紹介します。




実体験を語りながら話すと話を聞いてもらいやすくなります。
 
例えば、プレゼンを控えている人からあがらずにうまくプレゼンするにはどうしたら良いかと聞かれた場合。
 
「準備や練習が大事ですよ」と伝えることはできますが、いまいち相手に響かない可能性があります。
そんなことは当たり前で自分は準備していると相手は思うかもしれません。
 
そこで過去の自分の実体験を語るのです。
準備不足なのに準備をしたつもりになっていて本番で失敗したから、それ以来は準備に手を抜かないようにしているという実体験を語ると、聞いてもらいやすくなると思います。
 
助言を求められた時でさえ聞いてもらえないことがあるので、相手を変えようとして話す時にはなおさら聞いてもらえないでしょう。
 
 
人は変わることを求められると自分を否定されたと思い、抵抗感や自己防衛の感情が生まれやすくなります。
 
相手に「こうするべき」と話すのではなく、自分は「こうでした」と実体験をただ話すほうが抵抗感は生まれにくいのです。
 
「他人の物語」としてある程度の距離を保ちながら聞くことができるからでしょう。
これにより、冷静に話を受け取ることができ、共感しつつも、直接的な「自分への要求」と感じにくくなるため、心理的な抵抗が減ります。
 
 
実体験は、成功談よりも失敗談のほうが相手に受け入れやすいと思います。
 
他人の体験を話すのも良いです。
第三者の体験を引き合いに出す話法です。
 
失敗談や他人の体験を話すことで上から目線になりにくく、より聞き入れてもらいやすくなります。
 
 
実体験を話すことが有効だと思ったきっかけは、うつの方との会話です。
 
心理相談をしていてうつの方から助言を求められて何か話すのですが、響きにくいのです。
うつ状態の方は人の話を聞くのが難しくなっているようです。
これは先に書いた健康な人の抵抗感や自己防衛からくるものとは違う問題だと思います。
「自分には無理だ」という自己評価の低さや自信の喪失、また思考が狭くなっていることが関係しているように思われます。
 
ですが、実体験を話していると不思議と聞いてもらえるのです。
個人情報に配慮しながら似たような状況の相談者の体験を話すと、それも聞いてもらえます。
その後、話を参考に実行されるかどうかは別として、割と聞いてもらえるのです。
 
 
実体験の共有は、直接的な「こうするべきだ」という助言ではなく、相手が自分なりのペースで考えたり感じたりする余地を残すため、無理のない形で心に響きやすいのです。
 
提案、アドバイス、企画を通したいなど何らかの考えを相手に伝えたい時に実体験を語りながら話す。
すると、心理的な抵抗が減り、話を聞いてもらいやすくなります。
 
 
 
今回は、人に話を聞いてもらえる方法として「実体験の共有」についてお伝えしました。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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