感情をキャラクター化すると楽になる
今回は、自分のネガティブな感情に支配されないための考え方を紹介します。
私たちは、イライラや悲しいといったネガティブに思われる感情に支配されがちです。
どうにか冷静に感情にとらわれずに自分を保ちたいものです。
感情に支配されないための考え方を学ぶことができる、あるアニメーション映画を観たので紹介します。
『インサイド・ヘッド』という映画です。
2015年に公開されたディズニーとピクサー制作のアニメーション映画です。
11歳の少女の頭の中を舞台に「喜び(ヨロコビ)」「悲しみ(カナシミ)」「怒り(イカリ)」「嫌悪
(ムカムカ)」「恐れ(ビビリ)」の5つの感情を題材にしています。
その5つの感情をそれぞれキャラクター化して主人にし、少女の成長を追ったストーリーです。
アメリカのミネソタ州にライリー・アンダーセンという女の子が生まれます。
それと同時にライリーの頭の中には、ヨロコビという感情と、遅れてカナシミという感情が生まれます。
そして、ライリーの成長とともに、曲がったことが嫌いなイカリ、嫌なものを遠ざけるムカムカ、心と体の安全を守るビビリという感情も生まれます。
5つの感情はライリーの頭の中にある「司令部」で少女の人生を幸せにするために日々奮闘しています。
映画からの学びはいろいろあります。
まず感情にはそれぞれ役割があり、良い悪いはないとわかります。
たとえば、悪いと思われる感情もこのように。
怒り→何かに挑む
恐れ→危険を予測する
悲しみ→分析的、共感
独走しすぎてしまうと、おかしなことになるだけで。
恐れすぎて、必要以上に危険を予測して、挑むことができないなど。
良い面は必ずあり、たとえば、何の役にも立っていないかのように思われたカナシミ。
ガンガン行動しようとするヨロコビを止めて、現実的な分析で対処法を考えるシーン。
落ち込んだビンボンをヨロコビはポジティブに励まそうとしてうまくいきませんが、カナシミは共感することで助けます。
人の記憶にも良い悪いはないのだということ。
「特別な思い出」がライリーの頭の中に貯蔵されていますが、その時の感情によって良くも悪くも変わります。
アイスホッケーで胴上げされた記憶が、試合に負けた時の悲しみの感情と結びついて色合いが変わるなど。
5つの感情のバランスを欠くとうまくいかなくなるということ。
ハプニングによって、ヨロコビとカナシミの2人が司令部から外に放り出されてしまいます。
司令部ではイカリ、ムカムカ、ビビリの3人が残ります。
ライリーの幸せのために奮闘するのですが、3人ではバランスを欠いて、うまくいかないのです。
このような学びの例が『インサイド・ヘッド』にはあります。
感情をこのようにキャラクター化してもらえると、感情の仕組みや動きがわかりやすくなるのです。
「今、イカリが独走しているな」
「今、カナシミとビビリが前に出すぎて、行動できなくなっている」
『インサイド・ヘッド』を観るだけで、私たちの頭の中の感情の動きを理解できるのでとてもおすすめの映画です。(ふつうに感動する映画ですよ!)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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