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他人の成功を素直に喜べない人が気をつけたいこと
友人の昇進や知人の成功を聞いたとき、心から「おめでとう!」と言えますか?
表向きは祝福していても、心の中では「なんであの人が?」「自分はまだこんなに頑張っているのに…」とモヤモヤした気持ちが湧いてしまった経験があるかもしれません。
例えば、SNSで同級生が「起業して成功しました!」と投稿しているのを見て、「すごいな」と思う一方で、「自分はまだこんな生活…」と落ち込んでしまう。
こうした感情の背景にはどのような心理があるのか、またそのような心理状況で気をつけたいことをお伝えします。
他人の成功を素直に喜べない人の心理背景として、成功の基準が「他者比較」になっていることが挙げられます。
成功を「自分がどうなりたいか」ではなく、「他人より優れているかどうか」で判断してしまうことを指します。
たとえば、
「同僚より昇進が早ければ成功」
「友人より収入が高ければ成功」
「知人よりフォロワーが多ければ成功」
このように、他人との比較で成功を測ると、どれだけ努力しても満足できず、「あの人より劣っている」と感じるたびに不安や嫉妬が生まれます。
「成功」という言葉を使って本記事を書いていますが、要するに「自分がどうなりたいか」が大事です。
では、なぜ私たちは他者と比較してしまうのでしょうか?
この「他人と比べてしまう心理」は、心理学では「社会的比較理論」(Festinger, 1954)として説明されます。
人間は自分の価値や能力を知るために、無意識のうちに他者と比較します。
これ自体は悪いことではありません。
むしろ、適切な比較は自分の成長につながります。
しかし、問題なのは「過剰な比較」や「間違った比較」です。
特にSNS時代では、他人の成功の瞬間ばかりが目に入るため、「自分はまだまだ…」と焦ることが多くなります。
同僚の昇進 → 「自分は評価されていない…」
友人の結婚報告 → 「自分はまだ独身…」
知人の海外移住 → 「自分は何も変わっていない…」
このように、「他者との比較」ばかりに意識を向けると、自分なりの成功の基準が見えなくなってしまうのです。
他人と過剰に比べてしまう人に気をつけていただきたいことがあります。
それは、本当にやりたいことを見失ってしまう恐れがあることです。
他人と比べることが習慣になると、自分の本当の願望よりも「周りにどう見られるか」が気になるようになります。
「みんなが資格を取ってるから、自分も取らないと」(でも本当は興味がない)
「みんなが副業してるから、自分も何かやらなきゃ」(でも本当にやりたいことではない)
「友達が結婚したから、自分も急がなきゃ」(でも本当は焦る必要がない)
こうして「他人と同じような成功を目指す」ことが目的になってしまい、本当に自分が望んでいる人生を見失ってしまうのです。
たとえば、
大学時代の友人が次々に昇進していくのを見て、「自分はこのままでいいのか?」と不安になり、転職を繰り返す。
しかし、どこに行ってもまた他人と比べてしまい、結局満足できる職場を見つけられない。
SNSで「起業して自由な生活を手に入れました!」という投稿を見て、自分も起業を決意。
しかし、本当は起業に興味があるわけではなく、ただ「周りがやっているから」というのが理由。
結局、すぐに行き詰まり、何がやりたかったのかわからなくなってしまう。
では、どうすれば「他者比較の罠」から抜け出せるのでしょうか?
① 自分なりの成功の定義を作る
「他人より上かどうか」ではなく、「自分がどうなれば満足か?」を考える。
例:「週末に好きなことができる働き方がしたい」「年収○○万円あれば十分」
② 過去の自分と比べる習慣をつける
「1年前の自分と比べて、何ができるようになったか?」に目を向ける。
例:「去年より英語が上達した」「仕事のスキルが増えた」
③ 他人の成功を「情報」として活用する
嫉妬ではなく、「どうやって成功したのか?」を学びに変える。
例:「この人は何を工夫して成功したんだろう?」
④ SNSの使い方を見直す
不必要に他人と比べてしまうなら、SNSの閲覧時間を減らす。
参考にならない投稿はミュートする。
まとめますと。
他人の成功を素直に喜べないとき、その背後には「成功の基準が他者比較になっている」ことが隠れている場合があります。
しかし、他人と比べてばかりいると、本当にやりたいことを見失い、気づけば「他人の人生」を生きることになってしまいます。
大切なのは、「自分がどうなりたいか」を考え、「昨日の自分と比べて成長しているか?」を確認することです。
「他人は他人、自分は自分。」このシンプルな考え方が、他者比較のストレスから解放される第一歩かもしれません。
今回は、他人の成功を素直に喜べない人が気をつけたいこと、という話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師