台三線お茶のある風景 台湾茶
台湾茶紹介
翠玉茶 すいぎょくちゃ (拼音:cui yu cha)
台湾軽発酵茶
茶区:台湾産地:台北桃園、鹿谷、竹山、名間、松柏嶺など
歴史:翠玉茶は台茶13号。1970年代創製。
特徴:外観は緊結半球状、色沢は砂緑色。水色は橙黄色。香気は清香幽雅、檳榔花香。滋味は醇和。茶殻は嫩葉連枝。
紅玉紅茶 こうぎょくこうちゃ (拼音:hong yu hong cha)
条形紅茶
茶区:台湾
歴史:紅玉紅茶は台茶18号。
蜜香紅茶 みつこうこうちゃ (拼音:mi xiang hong cha)
条形紅茶
茶区:台湾
紅韻紅茶 こういんこうちゃ (拼音:hong yun hong cha)
条形紅茶
茶区:台湾
歴史:紅韻紅茶は台茶21号。
東方美人 とうほうびじん (拼音:dong fang mei ren)
重発酵烏龍茶
茶区:台湾
産地:台湾新竹県
歴史:白毫烏龍、香檳烏龍、椪風茶、膨風茶ともいう。伝説によると清代末期、ウンカ被害で黄ばんでしまった新芽を通常の工程を行って荒茶に仕上げたものを洋行に持ち込んだのがすべての始まりだった。それを飲んだ洋行の外国商人は最高級の紅茶と比べてもなんの遜色ないさわやかな味わい、花蜜のような香り、鮮やかなみかんのような水色に感動し、あるだけの茶をすべて買い取った。喜んで帰った茶農家は虫が食い残した茶葉が普段の茶の二倍の値で売れたことを近所に吹聴してまわったが、近所の人たちはまったく彼の言葉を信用せず、“膨風(客家語でうそつきの意味)”と言って笑った。1900~1940年代この茶は欧米で好評を受け、大英帝国の女王陛下のもとにも届けられた。女王陛下はクリスタルグラスの中で一芯一葉の若芽が熱湯に踊る姿を愛で、オリエンタルビューティー(東方美人)と名づけた。
特徴:茶芽肥大。色沢は紅、黄、白、緑、黒の五色。水色は橙紅。香気は熟果味香、蜂蜜香。滋味は甜醇。水色は琥珀のような黄紅。滋味は甜醇。
加工:一芯一葉から一芯二葉の摘採→日光萎凋→室内萎凋→撹拌(揺青)→加熱による酸化停止(殺青)→揉捻→あぶり乾燥(烘干)。
木柵鉄観音 もくさくてつかんのん (拼音:mu shan tie guan yin)
球形烏龍
茶区:台湾
産地:台湾台北市文山
歴史:今から200年ほど前、安渓の張氏が木柵樟湖山(現在の猫空一帯)に移り住み、茶の栽培を始めた。1919年、張迺妙・乾迺乾兄弟が安渓から鉄観音の苗1000株を導入したのが、木柵正欉鉄観音の始まりとされている。
特徴:外観は巻曲珠形、緑中帯褐。水色は黄褐。香気は熟果香或いは焦糖香(キャラメル香)。滋味は甘醇濃厚。特殊な果酸味がある。
加工:正欉鉄観音品種の摘採→日光萎凋(晒青)→室内萎凋(涼青)→撹拌(揺青)→加熱による酸化停止(殺青)→重揉捻→一次あぶり乾燥(初烘、包揉)→仕上げあぶり乾燥(復烘)→精製。
貴妃美人茶 きひびじんちゃ (拼音:gui fei mei ren cha)
茶区:台湾
産地:台湾南投県
歴史:蜜やライチのようなかぐわしい香りがまるで楊貴妃のようであるということからこの美しい名前がつけられた。
特徴:焙煎がやや高くやさしい甘み。球状、緑褐色。
金萱茶 きんせんちゃ (拼音:jin xuan cha)
半球形包種
茶区:台湾
産地:台湾中北部
歴史:台湾茶葉改良場で、台農8号と硬枝紅心品種を人工交配させて作った金萱種(台茶12号)から作られる。
特徴:外観は砂緑。水色は金黄。香気は乳香。滋味は濃醇。
加工:発酵程度約30%。摘採→日光萎凋(晒青)→室内萎凋(涼青)→撹拌(揺青)→加熱による酸化停止(殺青)→揉捻→一次あぶり乾燥(初烘)→(包揉)→仕上げあぶり乾燥(復烘)。
製法は鉄観音に似ている。
梨山烏龍茶 なしやまうーろんちゃ (拼音:li shan wu long cha)
台湾烏龍
茶区:台湾
産地:台湾台中県
歴史:梨山には、天池という池があり、そのほとりにはかつて台湾を統治していた蒋介石がしばしば憂国憂民したとされたことから達観亭と名づけられた亭が建っている。天池は海抜2600m、付近の茶園は台湾最高、世界無二と言っても過言ではない。市場では1500m以上から梨山茶として売られているが、厳密に梨山茶の生産者と言われるのは海抜2000m以上の茶園だけである。70年代中期、人の手によって梨山に茶樹が植えられた。その中の一人として有名なのが陳金地で、陳金地は生命の危険も顧みず梨山特産の水蜜桃を散歩中の蒋介石に差し出して名を成した人物。
特徴:台湾中央山脈の梨山、阿里山、杉林渓など標高1000m以上の茶園で生産された茶を高山茶と言う。梨山烏龍茶は標高2000m以上の高地で生産されている。外観は半球形、深緑。水色は金黄。花香が突出している。滋味は濃醇。
加工:発酵度20~40%。摘採葉は、日光萎凋落後室内萎凋を行う。加熱による酸化停止(殺青)→重揉捻、布包団揉を繰返す→弱火あぶり乾燥(文火烘干)。
阿里山烏龍茶 ありさんうーろんちゃ (拼音:a li shan wu long cha)
半球形台湾包種
茶区:台湾
産地:台湾嘉義県阿里山
特徴:台湾中央山脈の梨山、阿里山、杉林渓など標高1000m以上の茶園で生産される茶を高山茶と言う。外観は色沢青褐。水色は金黄。香気は花香或奶香。滋味は甘醇。
加工:発酵程度約30%。製法は凍頂茶に似ている。
凍頂烏龍茶 とうちょううーろんちゃ (拼音:dong ding wu long cha)
半球形包種茶
茶区:台湾
産地:台湾南投県鹿谷郷
歴史:鹿谷郷初郷村の林鳳池は、福建省に科挙の郷試をうけるために出向き、合格して故郷に錦を飾った。台湾に帰る際、資金提供をしてくれた人たちのために武夷の青心烏龍種(福建省では軟枝烏龍種)の苗を36株持って帰り、24株を竹林村、大坪頂、初郷村などに移植したが育たなかった。凍頂山の林三顕に送って植樹した12株が見事に育ち、現在の凍頂烏龍となった。
特徴:台湾北部を代表する茶で、“北文山、南凍頂(北の文山包種、南の凍頂烏龍茶)”と言われる。外観は半球形、緊結整斉、新鮮墨緑。水色は金黄澄清明麗。香気は清香撲鼻。滋味は圓滑醇厚。
加工:青心烏龍等良種芽葉の摘採→日光萎凋→室内萎凋→撹拌(波青)→加熱による酸化停止(炒青)→揉捻→一次あぶり乾燥(初烘)→(熱団揉)→再乾燥(再干)→枝取り(揀梗)→あぶり乾燥(烘焙)。
文山包種茶 ぶんさんほうしゅちゃ (拼音:wen shan bao zhong cha)
条形包種茶
茶区:台湾
産地:台湾台北市、新北市
歴史:清茶ともいう。文山包種茶産地は、台湾で最も早く茶栽培が始まった場所のひとつ。清代嘉慶15年(1810年)福建省から柯朝氏が武夷茶を台湾県瑞芳鎮に植えたものが広がったという。包種の由来は、1810年頃福建省泉州府安渓の茶商が安渓で作った茶を福州まで運んで花香をつけ、茶葉を200gずつ香りが漏れないように2枚の竹の繊維を原料とした紙で四角く包み、その上に茶行の印を押して売った。茶葉を福建省福州に運んで香り付けしてから包装したものが包種茶と呼ばれるようになった。台湾北部を代表する茶で、“北文山、南凍頂(北の文山包種、南の凍頂烏龍茶)”と言われる。
特徴:外観は自然巻曲。色沢は深緑。水色は蜜黄。香気は幽雅花香。滋味は醇爽。
加工:青心烏龍など優良品種の摘採→日光萎凋(晒青)→室内萎凋(涼青)→撹拌(揺青)→加熱による酸化停止(殺青)→軽揉捻→あぶり乾燥(烘干)→精製。
台湾龍井 たいわんろんじん (拼音:tai wan long jing)
炒青緑茶
茶区:台湾
産地:台湾新北市三峡
特徴:品質は杭州の龍井茶と異なる。外観は扁直有茸毛、色沢緑潤。水色は清澈碧綠。香気は綠豆香、清花香。滋味は甜醇爽口。
加工:若い芽葉の摘採→加熱による酸化停止(殺青)→軽揉成形(理条)→散熱(攤涼)→釜炒り乾燥成形(鍋炒整形)。
台湾碧螺春 たいわんへきらしゅん (拼音:tai wan bi luo chun)
烘炒青緑茶
茶区:台湾
産地:台湾新北市三峡
歴史:大陸の碧螺春を模倣した台湾碧螺春は50年前後の歴史を有し、すでに大陸のものとは異なっている。最大の相違は品種で、台湾は台湾特有の青心柑種茶樹、黄柑種茶樹が用いられている。
特徴:大きくよじられている。深緑色。
上の記事は台湾茶散歩中の記事です。他地域の物語も読んでいただけたら、幸いです🍀