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社会性は家庭の中でも育ちます。安心して学べる場所づくりを考える

子どもの学びを見直す

「不登校だと社会性が育たないのでは?」
私のもとに相談に来られる親御さんの多くは、このような不安を抱えています。学校や習い事など、集団生活の場でさまざまな人と関わることで社会性が育まれる。これは一般的な考え方として存在しています。そのため、学校に通わない子どもには、その経験が欠けてしまうと感じるのも無理はありません。

しかし、社会性は本当に集団生活の中でしか育たないのでしょうか?私はそうは思いません。


家庭でも育まれる社会性

社会性とは、「相手の言うことを聴いて理解する」「自分の気持ちを相手に伝える」といった、他者とのコミュニケーション能力のことです。これらの力は、家庭の中でも十分に育てることができます。例えば、家族で意見を交換したり、親子で話し合いをしたりする中で、相手を理解し、自分を表現する練習は自然と積み重ねられます。

不登校の子どもには、集団生活が苦手な子も少なくありません。それは必ずしも「発達障がい」などの特性に直結するわけではなく、ただ環境が合わないだけの場合も多いのです。もし気になる要因があるのであれば、専門の支援を受けることも一つの選択肢です。

集団生活が苦手な理由

不登校になる子どもたちの中には、「理解する力」が弱いことで集団生活に困難を感じる場合があります。
たとえば、小学校の授業では先生がいろいろな指示を出しますが、その指示をクラス全員がしっかり理解できているかどうかの確認は、なかなかされません。その結果、

  • すぐに動ける子

  • 周りに合わせて動く子

  • 全然反応を示さない子

と、子どもたちの行動に違いが出てきます。特に反応が遅れた子は注意されたり叱られたりすることが多く、これが繰り返されることで「自分はダメなんだ」と感じ、心に傷を負う可能性があります。

学校という場が合わない子にとって、こうした経験は学校への居心地の悪さや恐怖心につながり、不登校のきっかけになることもありました。

一人ひとりに合った学びの場を

子どもの社会性を育む以前に、まず必要なのは「一人ひとりに合った学びの場」を提供することではないでしょうか?みんなが同じ環境で同じことをするという、画一的な教育には疑問を感じることが多いです。

不登校の子どもたちの中には、フリースクールやオルタナティブスクールなど、学校以外の学びの場で成長している子もいます。私は、むしろ学校に通えない子どもたちの方が、自分で生き抜く力や危機管理能力に優れていると感じることが多いのです。

子どもたちの学びを支える仕組みを

義務教育期間中の学びの場は、公立学校だけに限定されるべきではありません。それぞれの子どもに合った学びの場を選べる環境が必要です。そして、その選択を親の経済状況に左右されることなく実現できるよう、経済的な支援も重要です。

義務教育とは、子どもの未来を広げるためにあるべきもの。子どもたちがどの学びの場を選んでも大丈夫な仕組みを作り、親の経済格差でその選択肢が狭められることがないようにしてほしいと強く願っています。

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