市場に恋して(クズネチニ市場)ー Saint Petersburg, Russia
JAL会員誌「AGORA」2017年7月号に掲載された記事です。
ドストエフスキーは3、4年ごとに引っ越しを繰り返したという。最後に住んだ家は現在博物館になっており、そこから徒歩1分ほどでクズネチニ市場に到着する。この市場には中央アジアやコーカサス地方からの食材が豊富に集まってくる。
ドストエフスキーは紅茶が好きで1日に何杯も嗜んだそうだ。サモワールでお湯を沸かし、濃いめの紅茶をいれ、カップにお湯を足し薄めながら飲むのがロシアのスタイル。そして紅茶の友「ヴァレニエ」を忘れるわけにはいかない。
ヴァレニエとは、季節の果物や松ぼっくりなどを用いお砂糖をたっぷりと入れて素材の形を崩さずに煮込んだもの。シロップは炭酸で割るなど楽しみ方も様々だ。
「さくらんぼうはいかが?」と売り子から数粒手渡された。一つ口に入れてみると、甘酸っぱくて美味。このさくらんぼうのヴァレニエは紅茶にさぞ合うはずだ。甘党とも知られるドストエフスキーは果たしてどんなヴァレニエをお好みだったのだろうか。
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