言葉の刃と脳内物質の話。
言葉の刃
SNSによって「言葉の刃」が可視化され、バッシングによる有名人の悲痛なニュースが飛び交ったりしている。ただ、ここで言いたいのはニュースそのものではなく、「可視化された言葉の刃」の方である。
言葉は人を刺す。だが、本物の刃物がそうであるように、人に向けなければ危なくはない。もちろん刃物というのはモノの例えであるから、言葉、もっと言えば敵意は刃物の形をしているわけではない。凶器として用いた時に相手にダメージを与え、傷は治ったように見えても刺された記憶がトラウマのように残るという点で似ている。
一方で、刃物として持ち出されなかったとしても、敵意そのものは人の中にある。それは頻繁に生み出され、誰がどんな敵意を誰に向けて持っているか、外から知ることはできない。そして敵意を抱くこと自体は罪ではない。言葉に出すか、行動を起こすか、表に出されなければ事件も起きないし裁かれることもない。
それだけに怖いと思うのだ。これだけの人間が社会で暮らしていて、いつ爆発するかわからない強い憎しみを誰かに抱いているかもしれない人がすぐ隣にいる。行動に出さないだけで、自分自身でもコントロールできないくらいの攻撃的な気持ちを抱いて暮らしている。社会のルールが抑止力となっているだけで、爆発的に暴れたいような人は少なくないはず。それが可視化されたものの一部がニュースになっているのだろう。
平穏と惨劇を分けるもの。それはもしかしたら本当に薄い皮一枚程度のものかもしれない。誰もが踏み外す可能性を持っている。それをさせないのは、自制心か、臆病さか、なんでもいい。誰もが可能性のあることだからこそ、踏みとどまることは尊い。
最後は「どういう自分であったか」がもっとも大事なような気がする。
脳内伝達物質について
Twitter(今は「X」だっけ?でもTwitterと呼ばせてもらう)で見つけた脳内伝達物質の話。
・ドーパミン
・オキシトシン
・セロトニン
・エンドルフィン
これらがどんな時に脳内に分泌されるか?という画像である。「幸せホルモン」とも言うらしい。ホルモンという言い方はちょっと違うような気もするが、そういう俗称だそうなのでしょうがない。俗称というのはいつも言葉的に雑だったりするので。あと、「幸せホルモン」というホルモン焼き屋さんがあってもいい気がする。どうでもいいですけど。
ドーパミン
脳の「報酬系」に深く関わり、欲求や快楽を司る物質。仕事が上手く行ったり、自分で設定した何かをクリアできたり、食事などの本能的行動についての快楽もこれが働いているそう。ちなみにギャンブルやアルコールにハマるのもこれが影響しており、人間の向上心というものの功罪を感じさせる。
オキシトシン
愛情や愛着に関連したものごとに関わり、他者への愛情や信頼感、心の安らぎをもたらす物質。愛犬などの動物と触れ合ったり、子どもを愛でたりと、いわゆる「癒し」を感じるのはこの物質の影響。不安を軽減する効果がある。
セロトニン
みんな大好きセロトニン。精神を安定させ、ほのぼのさせる、落ち着かせる物質。日光を十分に浴びていないと不足すると言われている。日照時間の日本一短い秋田で生まれ育ったせいでセロトニン不足、というのは自分がいつも言うお決まりのフレーズである。そして、自分が日々散歩したりするのはセロトニンの分泌が欲しい、つまりリラックス状態を作り出したいからである。ちなみに「セロトニン摂取」みたいな言い方をしてしまうけど、これは間違いっぽいね。
セロトニンの分泌が乱れると不安な気持ちが生まれたり、鬱っぽくなったり、攻撃的になったりするようで、これはどれも避けたい状態である。なお、セロトニンの95%は腸で生成されており、腸の調子を整えるのが良きとのこと。
エンドルフィン
厚生労働省によるとエンドルフィンとは「体内で分泌されるモルヒネ」を意味するそうで、わかりやすい。気分を高揚させたり痛みを鎮める効果がある物質。恍惚感を司り、いわゆるランナーズハイなどもこれによるものらしい。それから集中することで「ゾーンに入る」などと言うけれど、その状態もエンドルフィンの作用による。
簡単にまとめると、
やる気と「ハマる」を引き出す報酬系物質がドーパミン、
愛情を司る癒し系物質がオキシトシン、
精神を安定させるほのぼの系物質がセロトニン、
集中による恍惚、鎮痛系物質がエンドルフィン、
という感じだろうか。
(一部、独自の表現が入っています)
まあ、人間は「水の入った肉の筒に過ぎない」という話もあり、なんだかんだいっても人は脳内物質やホルモンに支配されていると言える。
上記にあるように、セロトニンを出したければ日光浴や散歩をすればいいといった一種の「物理」によって、精神状態というのはコントロールできるはずだ。
かんたん瞑想がオススメ
ちなみにセロトニンに関係して一つオススメなのが、簡単な瞑想。
身体を楽な状態にしてリラックスし、目は軽く瞑るか半開きにして、音なども何も鳴らさず、自分の呼吸音だけに集中して一定時間を過ごしてみる。
自分の場合は自室の椅子をリクライニング状態にして、フットレストに足を投げ出し、スマホのタイマーを15分ほどに設定し、アラームが鳴るまで上記の状態を維持するスタイル。
でも絶対に頭に何か浮かんでしまうので、それを削除する。イメージが浮かぶ、削除。浮かぶ、削除。これを繰り返すと、だんだんイメージのキャッシュがクリアされてくる。そうして何も考えてないのに近い状態を作り、自分の呼吸音だけに集中する。それである程度、例えば10分でも過ごすと、ずいぶん頭がスッキリしていることに気づく。
これは効果がある。間違いなく気持ちが落ち着くのでぜひやってみてください。
やぶさかではありません!