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[入門編]これなら知ってる!?クラシックア・ラ・カルト

結局、何から聴けばいい?

クラシックに興味がある、勉強したいと思ってるけど、どこから入っていけばいいのかわからない…

こんな風に思ってる方は意外と多いのではないでしょうか。

クラシック音楽は歴史の洗礼を受けて今も聴き継がれている作品の宝庫です。過去·現代に至るまでの作品数たるや膨大なもの。ですから、なかなか親しむきっかけをつかめない方もいるかと思います。

やっぱりベートーヴェンから?それともモーツァルト?いやいや音楽の父バッハから聴かないとクラシックはわからない?

いえいえ、んなこたぁございません。ぶっちゃけた話どこから聴いたって構わないのです。それがわからないから困ってる?ではこうしましょう。

<自分が聴いたことがある曲を入り口にする>

例えば、CM·映画などで流れる「これ聴いたことある!」というのを基準に考えればとっつきやすいのではないでしょうか。

そんな訳で、独断と偏見で有名曲を選曲してみました!では行ってみましょう!

・モーツァルト【アイネ·クライネ·ナハトムジーク】

言うまでもありませんね、モーツァルトの名曲です。朝食時に聴いたりすると非常に優雅な気分になります。タイトルの意味は「小さな夜の曲」ですが(笑)1787年作曲。セレナード13番とも呼ばれます。

・ラヴェル【ボレロ】

モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したこの作品。最初からほぼ最後までずっと同じリズムが続く、いわば「ミニマリズム」の元祖的存在。メロディーも2種類しかなく、最後だけ締めで変わるだけ。音量も最小から徐々に最大化していくなど、オーケストラという大所帯の性質をある意味最大限に利用した曲。

「ボレロ」というのはスペイン起源の舞曲、つまりダンス・ミュージックのこと。この曲はイダ・ルビンシュタインというバレエ・ダンサーから依頼を受けて作曲したバレエ曲です。聴いてると段々ボルテージが上がっていくので、うまくミックスすればクラブ・ミュージックとしても全然活かせそうなポテンシャルを未だに秘めております。

・チャイコフスキー【くるみ割り人形〜葦笛の踊り】

◯フトバンクのCMでおなじみですね、チャイコフスキー三大バレエ曲の一つであるくるみ割り人形です。1892年作曲。組曲版と全曲版があり、演奏会などで使われるのは組曲版の方です。

その組曲版、ロシア音楽協会から新作を盛り込んだ演奏会の依頼を受けたチャイコフスキーが、手元に新作がなかったため、急遽作曲中のくるみ割り人形から抜粋して仕立て上げたとか。

組曲版⇓

急遽仕立てたとは思えないほどのクオリティ。チャイコフスキーの編集能力の高さが窺えます。

・リヒャルト・シュトラウス【ツァラトゥストラはかく語りき】

スタンリー・キューブリック監督作品「2001年宇宙の旅」で冒頭部分が使われているのはあまりにも有名。その影響力は絶大でキューブリック以降、宇宙に関連するイメージ映像・CDジャケットなどでこの曲が使用されることが多くなりました。テレビとかで聴いたことありますでしょ?

1896年作曲。『ツァラトゥストラはかく語りき』とは哲学者のニーチェの同名の著作から。同作にインスピレーションを得て作曲されたとか。同作は哲学書というよりは小説や神話の類として捉えられ、実際に文学に影響を与えてるようです。そういった点が音楽で感情の表現やストーリーを伝えようとする「後期ロマン派」の作曲家であるシュトラウスに影響を与えたのではないかと思います。ニーチェと同時代人だし。

余談ですが、作曲家の伊福部昭氏(あのゴジラのテーマ曲を作った方)がこの曲をボロクソにけなしてるのもちょっと面白い。一聴して素晴らしい作品に思えるものでも、みんながみんな称賛するわけではないという点でとても同意出来る話です(シュトラウスがダメと言ってるわけじゃないですよ!私はこの曲好きです笑)

興味のあるところから聴いてみよう!

いかがでしょうか?今回は主にCMや映画などで使用されている曲を選曲しましたが、他の切り口からでもいいわけです。例えば、哲学が好きならそれこそニーチェをきっかけにしてリヒャルト・シュトラウスを聴いてみるとか(そんなやついないか笑)。何百年も前の人の作品を聴くより、もっと近い世代のほうが興味を持ちやすいなら20世紀を生きた作曲家からでもいいですし(ストラヴィンスキー・ショスタコーヴィチ・ドビュッシー…etc)。

どこで興味を持つかは人それぞれですので、今回に限らず色々な切り口からクラシックを紹介していこうと思います。どうぞよろしく!

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shinobu@classical&contemporarymusic
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