人生初の入院生活を結構満喫している話。
この生活ももうそろそろ終盤ということで、記録として一応書き残しておこうかなと思った次第であります。
今回はラフにね。作品作りじゃなくて記録ね。(自分に言い聞かせている)
この生活もあと今日を入れて3日かな。
今日は日曜で、ほかの日に比べると静かな気がする。
まだ朝だからかな。
もうそろそろ、朝食の時間。
朝はね、一日の中でいちばん痛みが強いとき。
起きた時の苦痛は結構しんどい。
中途覚醒しちゃったらもう最悪。
痛くてそれ以上はなかなか寝れない。
まあ昼間とか、いつでも寝れるから別にいいんだけれど。
初めて看護される側になった。
いつもは看護する側のお勉強。
そういう意味では今回の入院は結構楽しみでもあった。
お忍びで見学って感じ。
といっても、病態は大したことない。
社会人になる前に、この最後の大学生の夏休みの間に、繰り返す扁桃炎の元を絶ってしまおうってだけ。
つまり習慣性扁桃炎で両側口蓋扁桃摘出術を受けたってこと。
一応、予定では入院は9日間。
その間にやりたいことはたくさんあって、思ったよりもできなかったし、でも結構できたかも。
それこそ、noteを書いたり(ぜひ読んでね)、最近挑戦し始めた写真の現像をしたり(インスタフォローしてね)、積読の消化とか、積みアニメ消化とか、久しぶりにゆっくり音楽に浸ったりとか、その時の仲間とわちゃわちゃしてみたり、とか。
ね?結構やりたいこと、あるでしょ。
全然暇じゃないよ。多趣味なの。
手術を受けたのも全身麻酔も初めてで、その記録を付けようと思ってたんだった。
特に全身麻酔。
あれって仮死状態ってよく言われるでしょう。
もし本当にそうなら、死に憧れる感覚、わかるかも。ってなった。
ちょっとクラっとして、眠くなっていくような感覚ともちょっと違って、でも「ああこれが麻酔か」なんて思いながら、ゆっくりと、でもすぐに、この意識とはさようなら。
吸い込むのはちょっと気持ち悪いけど、でも意識を手放していく感覚は気持ち良かった。
最後、マスクから漂う麻酔でゆっくりと呼吸しながら、今日はじめて会う看護師さんに手を繋いでもらっている感覚を確かめる。
きっとこれが幸せか。なんて思う。
人間なんてきっと、最期に誰かに手を繋いでもらうだけでいいんだ。
それだけで、それでもう、あとは全部、何もない。
意識を取り戻した瞬間はもう本当に最悪。
起こさないでほしい。このままずっと「何もない」でいたかった。
またこの苦しい世界に連れ戻すのか。
延命治療が良しとされてたこの国の感覚を疑ってしまうね。まあそれももう昔の話だけれど。
そんなのはきっと、ちゃんと死に向き合ったこともない、触れたこともない人らが勝手にやってたことなんだろうな、いい迷惑だな、と、思う。
まあ何が言いたいって、全麻中は自発呼吸ができないから気管支まで管を入れて直接肺に酸素を送るのね。
もちろん管を入れるのは吸入麻酔で意識を失ってからだから何も苦しくはないのだけれど、管を抜くときはちょっと違う。
意識が戻って自発呼吸の再開を確認してから抜くから、意識が戻った時点では管はまだ口の中に、喉の中に、気管支の中に入ってるってわけ。
しかもそこそこ太いやつ。
こりゃあきついでしょ笑
流石に苦しいって笑
意識を取り戻した瞬間、えずく。吐き気。嘔吐反射。異常絞扼反射。(看護学生感)
まあでも意識はまだ朦朧としていて、なんだかもうよくわからないまま管を抜かれて、看護師さんたちがなにやらお話しているのがなんとなく聞こえて。「はやかったね~」、「はやいね~」って聞こえてきたけど、それは私が意識を取り戻すのがってことだったのか、ベッドの移動がってことなのか。よくわからなかったけど、喋ることはできなかった。麻酔から覚めるタイミングは結構個人差があるらしいということは事前説明で聞いていた。
ベッドに移されて、運ばれて手術室を出て、そこからはよくわかんないけれど、気づいたら自分の病室。自分のベッド。
しばらくして、あぁ終わったんだなって思いながら全麻の影響に耐える。あとはもうひたすら耐える。
一瞬で眠れるんだけど、すぐ苦しくなって目が覚める。息が苦しくなって目を覚ます。苦しい。苦しい。呼吸。寝る。苦しい!その繰り返し。
横になるのがきつくてベッドは起こしたまま。ファーラー位ってやつ。
外が明るくなって、起きているときは喉が痛いとかじゃない。めちゃくちゃ二日酔い!!!!!!って感じ。ともちょっと違うけど。とにかく気持ち悪いと言うか、それもなんかちょっと違うような、朦朧とするような、頭がいたいような、なんだろう、よくわかんないけれど、不快。心地よくはない。
術後の発熱と倦怠感とに苦しみながら、2日間くらいはあんまりやりたいことはできなかった。音楽も聞けなかったし、頑張ってその時途中だった「ツァラトゥストラかく語りき」を読んでみたりしたけど、たぶん、術後の全麻の影響に耐えながら読む本ではないよな~とか思ってた。
結局術後3日目で熱が下がってなんとなく体も楽になって、あとは喉の痛みに耐えるだけってなってからかな、やりたいことがちゃんとやれるようになったのは。
ちなみに喉の痛みは術後3日目が一番痛かった気がする。今も痛いけど。
さっき先生が朝回診に来てくれて退院と退院後の食生活についてちょっと話してくれた。
退院は来週の火曜か水曜って言われたけど、頼む。火曜であってくれ。
流石にちょっと飽きてきたよ。
今日は13:20にシャワーの予定。看護師さんだけじゃなくて、同じ病室のおばあちゃんにもすごい気にかけてもらっているというか、お世話になっているというか、面倒を見てもらっている感じがする。若い人が珍しいからかな。とっても優しい穏やかなおばあちゃんで、とっても好き。
「今日はシャワー室の予約がまだ全然入っていないから好きな時間に入れるよ。入っておいで。シャワー室前のホワイトボードに部屋番号と名前を書くんだよ。カタカナでね、名字を書くのよ。私も今予約を入れてきたよ。やっぱりシャワー浴びたほうが気持ちいいものね。」
シャワー室の予約のとり方は入院時にみんな説明を受けるし、別にカタカナじゃなくてもいいし、シャワーは一昨日浴びたし、誰にも会わないし、点滴繋いでると色々めんどくさいし、退院前に入ればいいかなと思ってたし、動かないから汗もかかないし、今日はいいかなって思ってたんだけど、やっぱりあのホワイトボードに部屋番号と名前を、カタカナで名字を、書いてきた。
大部屋で入院していると今までいた人が退院していったり、新しく入院してきたり、そして退院していったり、食止めで食べたいけれど食べれないおばあちゃんがいたり、喉が痛くてご飯なんか絶対食べたくないけれど、回復のためには食べなくちゃいけない私がいたり。
なんて過酷な世界。
でも時間が立って、みんな回復に向かっていて、おばあちゃんは今はもう美味しそうにご飯を食べているし、私は痛み止めさえ飲めば前よりはご飯も食べやすくなった。
私が入院してすぐ、Wi-Fiのパスワードをわざわざ教えに来てくれた向かいのベッドのおばさんは、私が手術した日に退院していった。
しとやかで、細やかで、憐れみ深いような、そんな美しい人だった。
いつも隣のベッドの元気でおしゃべりなおばあちゃんに話しかけられて、お話をしていた。
「退院おめでとうございます」を伝えられなかったのがちょっと悔やしい。
喉の手術をした私のご飯は3分粥、キザミ食。物によってはほぼペースト食。
病院のご飯って味が薄くて美味しくないって言われている気がするけど、全然そんなことなかった。めちゃくちゃ美味しい。だから喉は痛いけど、頑張って食べれてる。
毎食メニューが違うし、おかずがいっぱいあるし、デザートも付いてくる。すごい豪華じゃん。贅沢。
毎日決まった時間に3食。ご飯が運ばれてきて、しばらくすると下げてもらえる。ちょっと飼育されているような、管理されているような、管理されているのだけれど、そういう気分。
看護師の仕事がロボットに代わってしまったらこれはもう本当に飼育されてるって感覚になるのかも。
私もこんな看護師さんになりたいなと思える看護師さんにも出会えた。
明るくて少し天真爛漫な気配を漂わせていて、もちろん優しい。
患者に対して、患者を個人としてみて、関わっていると感じさせてくれる、そんな看護師さん。
看護学生は患者一人にしかつかないし、看護師に比べて時間があるとよく言われるけど、私のやりたいことは時間は問題ではないと、そう感じることができた。深浅の差は確かにあるのかもしれないけれど、やる。やれる。
その看護師さんもそうだし、私の好きな人は面白い。
私が気に入るのだからそれはもちろん当たり前なのだが。
私が良いと思うものは良いぞ。ここには絶対的な自信がある。
ちょっと話が逸れた。
なんだかんだもう結構な文量を書いていたことに今気づいた。
書き残したことはあるかな。
あの元気なおばあちゃんもすでに退院してしまっているのだけれど、寝息が、というかいびきが、ちょっと心配になってしまうほど死にそうに聞こえた話とか。
手術室では自分の好きな曲をかけてもらえて、私はもちろん一番大好きな[Alexandros]を流してもらった話とか。でもそれを選ぶまでに実は、もっと落ち着いた曲のほうがいいのかなーとかちょっといろいろ考えてしまった話とか。
点滴の針がなかなかうまく刺さらなくて結局先輩看護師さんに代わってもらってた話とか。
深夜に逆血して点滴が止まっちゃって、その処理をしてもらってたらベッドが血だらけになっちゃった話とか。
もともと手術は11時からの予定だったけど前の手術が早く終わって急遽9時半に手術室に向かうことになった話とか。
手術当日、ママが地元から4時間かけて病院まで来てくれたけど、結局一切顔を合わせることなく帰っていった話とか。(コロナ禍で面会禁止)
点滴をしているから結構頻繁に看護師さんが見回りに来てくれる話とか。
術後しんどくて動けないけど、ずっと同じ姿勢でいるのもそれはそれで辛い話とか。
点滴はすぐ取れるんじゃないかと思っていたけど、結局入院最終日までオーダーが入ってると看護師さんがわざわざ調べて教えてくれた話とか。
ご飯は1時間半かけてちまちま食べてた話とか。でも最近は40分位で食べ切れるようになったし。
あ、あと院の先輩が看護師さんしてた。
男性の看護師さんは最初ちょっと怖かった。
消灯後、叫び声も聞いたし。これがせん妄かなって考えてた。カルテに不穏って書かれるのかな~って。
こうやって書き出してみると結構いろんなことがあったんだな~って思うね。退屈しない入院生活だ。
看護師さんにはすごい感謝しちゃうね。感謝の気持ちが生まれちゃう。
常に優しくて穏やかで気遣ってくれる存在。
患者には必要な存在。
私は看護師になるぞ。素敵なお仕事だ。そう思えて良かった。
大変な仕事だって、そんなことはわかってるし、そんなのはどんな仕事も一緒だし、てかそこも含めて楽しめるし、愛しているんだバーカ。うるせえ。
ということで、春から看護師になる私の気持ちもいい感じになってきたというわけでございます。頑張りますよ。
と、まあ、そろそろ背中が痛くなってきてお昼ごはんの時間も近づいてきて、情緒が不安定になっておりますが、退院したら楽しい予定がたくさん待っているので、大学生最後の夏休み、めちゃくちゃ楽しみます。
ではまた。