「子ども先生」と「校長」を見守る「オカン」から見た「子どもが教える学校」の魅力

開校して約3ヶ月?の「子どもが教える学校」

たった3ヶ月ながら、教壇にたった「子ども先生」は60名
授業に参加した生徒は1,000組を越えた。

これはある種の熱狂を生んでいると言っていいハズ。
わたしも、ここで行われている・ここで生み出されているものに魅了され、運営として関わらせてもらっている。はっきり言って、楽しくて仕方ない!

今日はその魅力を言葉で「伝える」ことに挑戦したいと思う。

ズバリ!「子どもが教える学校」の3つの魅力

ちょっと言葉がややこしい気がするので、登場人物と名称を整理しておきたい。

▶︎子どもが教える学校 … 毎月 第一土・日に開催される子ども先生による授業。事前申込み制で開催され、現在4期まで開講し、1,000組の生徒が受講した。
▶︎子ども先生 … 「10代のためのプレゼン講座」にて、プレゼンテーションについて学んだのち、「子ども先生」として授業をしたいと希望し、3回にわたるワークショップにおいて、プレゼンテーションを完成させ授業を開催する10代の子ども達。4期までで60名の子ども先生が誕生している。
▶︎校長 … このプロジェクトの立ち上げ人であり、プレゼン講座や子ども先生の育成をしている立役者。小学2年生の子どもをもつ母であり、日頃は「紐解き職人」として思考整理などを行う鈴木深雪さん
▶︎オカン … わたし。この記事の筆者。この学校内では校長のサポートとして「運営」を行っている。

オカンから見た「子どもが教える学校」の3つの魅力はこれ!

【その①】ズバリ!「10代のためのプレゼン講座」 
これが全てのスタート!ここに参加するかどうかで、そこから始まる1ヶ月の充実度が変わると言っても過言ではない!(いや。1ヶ月だけの話ではなく、その後の人生にも関わるかも?!)

【その②】校長の引き出し力により
、子どもひとりひとりの「個性」や「好き」が引き出され、それを子ども自身が表現する体験をできること。

【その③】発表の場で、大勢の知らない人から、共感されたり、質問をされたり、褒められたり。とりあえず自分が発した言葉やエネルギーを受け止めてもらえること。

①プレゼンテーションの楽しさを体感できる「10代のためのプレゼン講座」

プレゼン講座っていうのは、探せば世の中にいろいろとある。
他のプレゼン講座を見尽くした訳ではないから、一括りにはできないけど、この鈴木校長による「10代のためのプレゼン講座」は、子どもの心に何かを着火させる「ここならでは!」の魅力がある。

それは、始まって1時間もすれば、目の色を変えて、前のめりに発言をする子ども達の姿を見ていたら、明らか。
目をキラキラ輝かせて、イキイキした子ども達は自分の話がしたくなっている。もちろん「ハイハイ!」と手をあげる子もいれば、ただ待っている子もいる。だけど、みんな自分の話をする順番が回ってくるのを今か今かと待っている。

なぜなら、ここはプレゼンテーションの「テクニックを教えてもらう場」ではないから。

図や表を使いましょう!
アニメーションをもっと使って!

などといった表現方法を学ぶ場ではないから。
ここに用意されているのは、「プレゼンテーションってこんなに楽しいんだよ!」っていう校長によるプレゼンテーション

「楽しさ」「魅力」を伝えるプレゼンテーションは、存分に「楽しさ」を体験させてくれる。何より、校長がなんとも楽しそうに語っている!
小難しい話などは何もない。ただ「こんなに楽しいんだよー」「プレゼンができたら、こんなにいいことがあるんだよー」を一緒に楽しめる工夫が散りばめられ、(言葉は悪いが)それを聞いた子ども達は、まんまと楽しくなって、プレゼンテーションの魅力にワクワクしだすのである。だからこのプレゼン講座を受けた子どもは、思わず「子ども先生やりたい!」って手を挙げる!w

②自分の「思い」や「好き」を表現する経験

プレゼン講座に参加した子ども達は、まだ自分の「好き」を表現できないことが多い。なんなら自分の「好き」を明確に捉えられていないことも多い。これは「好き」だけではなく、「何をしている時が楽しいのか?」「なぜそれが好きなのか?」「他のものとの違いは何なのか?」についても同じことが言える。

・お母さんが「いい」って言ったから、いい。
・先生が「あかん」って言ってたから、あかん。

そこを掘り下げて質問しても、はじめは

・うん。まぁまぁ。
・たぶん…
・んー…(沈黙)

ってなるのが恒例やったりもする。

だけど、深雪校長が楽しそうに「なに?なに?」「どういうこと?」「教えてー」と聞いてくれるのである。子ども達は、初めは「面白いから」「かっこいいから」「楽しいから」と、なんとも温度感のない通り一辺倒な言葉を使っているのが、だんだんと温度が乗っかってくる

そうなったらしめたもの。校長も、わたしも、「きたきたー」ってテンションが上がる。

子どもは素直やから、一度着火すると、もっと「聞いて!聞いてー」になる。一人がそうなると、自分の「聞いて!」が大きくなる。そうなってくると相乗効果で「場」があったまってくる。なんか楽しくなってくる!

何一つ難しいことなんてない。自分が好きな昆虫の話。自分がハマっている音楽の話。ゲームの話。フックができたら、あとは掘り下げていくだけ。自分の話を聞いてもらって、一緒に「へー!」「すごー!」と反応してもらったら、楽しくないはずがない。でも、それってめちゃめちゃ大切なこと。なんとなく「枠」の中にハマりがちな私たちにとって、自分の「好き」を表現する経験って意外と少なかったりする。その楽しさは、なぜか成長とともに薄れていく傾向にある。「他者からの見られ方」や、「友達と一緒でいる」ことに重きを置くようになったり、逆にそうなれない自分をどこかネガティブに捉えたり…と10代の子どもたちは、いろいろと葛藤の中にいたりもする。

だからこそ、自分の「好き!」「こう思う!」を表現できることって、めちゃめちゃ大切!なんやとオカンは思う。


③受けとめてもらえる。反応が返ってくる。認めてもらえる。そんな発表の「場」

校長と毎回同じ顔ぶれの仲間だけの安心・安全な場で「好き」を表現できるようになっても、まだ完全ではない。一歩この場を離れれば、やっぱり表現する勇気は「もし○○やったらどうしよう…」っていう不安に押し潰されそうになる。

もし一人だけやったら、きっとそのまま「好き」はまた小さくなって、「同じであること」から得られる安心? 「隠れ身の術」的な同化によって、目立たないこと。を優先しそうになる。

けど、校長と、一緒に授業をする仲間がいることで、「引き返せない」「やるしかない」場がすでに用意されている。何より、毎週顔を合わせ、「一緒に頑張ろー!」と応援し合う仲間ができれば、緊張することこそあれど、自分のプレゼンが楽しみなワクワクが勝る。

しかも、その発表の場は、校長がしっかりとそこにいて、空気感を保ってくれている。プレゼンが始まると、チャットが湧く。「すごい!」「感動!」「初めて知った!」などと、自分が発したメッセージに反応がバンバン返ってくるのである。毎回100組前後の人がその場にいる。その人たちが、自分のメッセージをしっかりと受けとめてくれる。反応が返ってくる! そこにいる100名以上の人が自分を認めてくれる。こんな快感ないはず。こんな「やってやったぞ!」っていう達成感、なかなか味わえない。

そして、一度経験したこの「伝える喜び」はしっかりと自分の中に宿ってくれる。

だから、子ども先生経験者は「次はこんなプレゼンしたい!」ってまた次もやる気になっていたりするw (私たちはこれを「おかわり先生」と命名して、何度でも伝える経験を踏める場を用意したいと思っている。)

日常生活を送りながら、これでプレゼンしたら面白いかも!なんて考える子ども先生たち。

子どもによっては、モヤっとする自分の気持ちに気付いたら、それをプレゼンのネタにするために分解し始めたりする。

そう。自分の「好き」について言葉を持たなかった子どもが、伝える前提で自分の興味・関心に向き合うようになる。それってめちゃめちゃすごいことやとオカンは思う。できることなら全ての人に経験してもらいたいくらいに…

たった1ヶ月程度のプログラムでありながら、ここでの経験は1ヶ月で完結する話ではなく、これから先にもずっとつながっていく大切なものを得られる場なのである。


毎度のことながら、熱くなった。熱くなりすぎて、最後まで読んでもらえるのか心配だが、でもわたしは「伝えるパワー」を信じ、子ども達の「伝えるパワー」からエネルギーをもらっているので、これでいいんや!と終わりたいと思います。ここまで3561文字。いつも熱くてすみません…

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