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19世紀の異端科学者が推薦する本100選

1月7日からカクヨムでスタートした19世紀の異端科学者はかく語る:人生を幸せにする方法(原題:The Pleasures of Life)本日分を更新しました。noteでは、訳者の主観で「感想と解説」を投稿しています。


原著では、前回「#4 本の選び方」の末尾にあったこのリスト。
この章だけで1万1000文字を軽く超えてしまうため、二分割しました。
著者のジョン・ラボックが選んだおすすめ本100冊は、選りすぐりの名作ばかりで、日本語に翻訳されている本が多いですが、中には未邦訳本もちらほら。

「本棚を見ると持ち主の人柄がわかる」と言います。

100冊ちょっと(改訂版で何冊か追加された)の著者と作品名がずらっと並んでいるだけのリストですが…

19世紀のイギリス人であるラボックが、孔子の『論語』やインドの『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』、イランの『シャーナーメ』、イスラム教の『コーラン』まで幅広く読んでいることに、私はかなり驚かされました。

中でも、異色を放つのは、トーマス・カーライルの『フランス革命史』

イギリス関連が多いのは当然ながら、歴史分野の本は「広い地域・広い時代」のタイトルを選んでいるのに、カーライルの『フランス革命史』だけがそうではない。

一説によるとジュール・ミシュレの『フランス革命史』と双璧をなす名著といわれてますが、カーライルの革命史は日本では抄訳版すら刊行されてません。同じ出来事を扱いながら、ミシュレは革命を肯定的に、カーライルは否定的に解釈しているそうで。
解釈が正反対の名著二冊。読み比べてみたいなぁ。

カーライルの方…を選んでいるところに、ジョン・ラボックの個人的な歴史観が反映されているように感じましたね。

今日の更新は本のリストだけだから、簡単に紹介するつもりだったのに、思いのほかまじめに考察してしまった。



\アレクサンドル・デュマ・フィスの未邦訳小説を翻訳しました/


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しんの(C.Clarté)
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