マガジンのカバー画像

朗読フリーの作品

32
こちらにある作品は基本朗読フリーとなっています。 ※朗読する際はこちらのアカウントにDMでご連絡ください。(https://twitter.com/jamasin6) 語尾の変更…
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

陽光

その日の夕方、私は疲れ果てた体で帰宅しました。

都合よく体調を崩した同僚のせいで前日の夜勤から続けてそのまま日勤に。とうの彼女は課長の部屋のベットでさぞやスヤスヤと寝ていたことでしょう。

私が眠りについたのと自室のベットに倒れこんだのとでは、どちらが先でしたのか。辛うじて化粧だけは落としたはずでした。

ふと目を覚ますとカーテンの隙間から日の光が漏れていました。

疲れすぎて朝まで寝てしまった

もっとみる

充分ではない(短編怪談)

祖母と私はともに霊感らしきものがあった。

あくまでそれは「らしき」ものだった。

例えば道を歩く血まみれの女性の幽霊が見えたりとか、首のない青年が駅のホームで頭を探していたりとか、そういう光景が見えるわけではない。

どことなく、あそこに行ってはいけない気がするとか、今日は大事な電話(だいたいの場合は悪い知らせ)がくるから外出しない方がいいとか、そういうことが分かるだけだ。

じゃあどうすればい

もっとみる