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なぜ人と組織は変われないのか

私siso50は同じ採用チームのリーダーを約2年努めてきました。
就任当時のチームは、目標達成が芳しくなく再起を帰すシーズンにありました。本来であれば変化を歓迎する局面だったように思いますが、物事はそう簡単に進みませんでした。

最終的にこの2年間でいくつかの変化が起きました。
どんなことが起きたか、なぜ起きたかは別途語るとして、今回はなぜ人と組織はは変われないのかについて、事例を交えて考えたいと思います。

ちなみにこの文章のベースにはU理論という書籍があります。
チーム運営に悩んでいた新米リーダーの私に、ある方が授けてくれた学問で、今でもバイブルとして愛好しております。
U理論をベースに私なりに勉強したこと、経験したことを合わせて考えるに、人が変われない要因は下記3つで多くは語れるように思いました。

・無意識のうちに思考フレームにとらわれてしまう
・微々たる変化を認知できない
・生物は変化を恐る性質を持つ

無意識のうちに思考フレームにとらわれてしまう

例えば、私は採用担当として、ある成功体験を持っています。
今まで職人(採用担当)の勘に頼っていた採用に定量的な数値マネジメントを導入し、うまくいった経験です。
一方、社会人になって以来逆のケース(勘に頼ること)での失敗体験が多く、そのようなやり方を倦厭していた節もありました。

上記ケースは、私が過去学習した成功と失敗から作られたフレームといえます。成功確率UPに繋がる一方、それが通用しないケースでもやり方を変えられないリスク2(あります。
もともと、生物とは生存の為に過去の反省から学び、迅速かつ正確な判断をこなせるよう思考のフレームを形成していくみたいです。(これはU理論とは別の本で読みました)
今度は0歳の息子の例を説明します。息子は口に入るものならなんでも口に入れます。それが危険なもの(ハサミとか)でもおかまいなしです。
大人はそんなことしません。ハサミを口に入れて怪我をした体験なのか、それとも親に怒られた体験なのかはわかりませんが「ハサミは食べられないもの」という思考フレームを持っているのでそのような行動はとりません。

私たちは無意識のうちに思考のフレームを形成し、それに基づいて意思決定をしています。無意識のうちにというのが厄介で、意識していないのだから自分でそれに気づくのは困難を極めます。
本来、迅速で正確な判断のために最適化された思考フレームが、無意識のうちに考えを固定化させていくのです。自分では客観性を持って考えているつもりでも、実は同じ考えの枠の中で思考を繰り返してしまっているのです。
それが個人でもチームでも常に起き続けているから変化ができなくなってしまいます。

微々たる変化を認知できない

人間は微々たる変化を認識できないという問題もあります。人間の認知機能的に仕方ないものらしく、こちらもよっぽどの工夫がないと自分で気づくのは困難です。

私はよくこれをラーメン屋で例えて人に説明します。
例えば、一品勝負しているラーメン屋があるとします。店主としては毎日同じラーメンを作っているつもりです。しかし、人間はコンピューターではないので、原材料の品質だったり、調味料の配合などが毎日0.1ずつ変化してしまったとします。
しかし、その0.1の変化に店主は気づけません。0.1の変化は次の日も起こり続けます。それが毎日続いていくと・・・気づかぬ間に別のラーメンになってしまいます。
久しぶりに訪れた元常連さんから「味が変わっちまったね。俺が好きなラーメンじゃない」とか言われてしまうのはこの現象かと思われます。
毎日の連続した微々たる変化には気づけませんが、一気に大きな変化として訪れるならば人間は気づくことができます。元常連さんは久しくお店を訪れていなかったので、大きな変化として味の変化を捉えることができたのです。

前回のNoteで書いたエンジニア採用の話は、このメカニズムにより引き起こされたもののように思います。
日次の微々たる変化が、いつのまにか大きなものになりました。我々は変化の必要性を感じることができませんでした。

生物は変化を恐る性質を持つ

最後に、人間は元来変化したくない生き物であるという問題です。
人間より大きなくくりで生物にとっても、変化は生存を脅かす危機といえます。生物が現世を生きるために最適化した結果が進化であり、せっかく進化したのだからその前提を脅かす変化を歓迎しないのは生物にとって自然の事に思われます。
生物である人間にもその本能は備わっています。今まで自分が築きあげてきた経験、人脈、やりかた、そういったすべてが、仕事人としてのその人の生存を支えています。
そこを覆すことは生存リスクに他なりません。

実際にどんな問題が起きるのか

実際に下記のような問題が起きました。

・ブレストしても新しいアイデアが出てこない
・双方が自分の考えを主張し続け平行線をたどり続ける
・頑張っているのにプロジェクトが前進しない(頑張る方向を間違えている)
・チーム内で善と思われていたことが、世間一般水準と比べて善でない(例えば、チームの雰囲気。チーム内ではよくなっていると思っている(実際によくなっている)が、元が悪かったゆえに世間水準と比較したら決して良い雰囲気ではない)
など・・・

だいたい、一歩引いて課題を見ることができれば解決しそうな問題です。
それでも、当事者ほど気づけないのです。

ただ、上記のメカニズムを知っていれば、何か工夫をして乗り越えることはできるかもしれません。実際、私はそれを知った後で変化の必要性に自ら気づき、行動を変えることが何回かできました。また次のnoteで語れればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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