撮ることは食べること寝ることとおなじ【1】
はじめてカメラを買ったのは大学生のときに
アメリカに1ヶ月間短期留学に行ったときだった。
ちいさなsonyのサイバーショットだった。
それから本格的に撮ることをはじめたのは
社会人になってからのこと。
新卒で入った独立行政法人職員時代にひとつ、
わたしにとって「撮ること」の転機が訪れる。
2011年3月11日
東日本大震災だった。
入職して福島県に配属されていたために、
あの日の悲惨さ恐ろしさをモロに全身で、心で、受けてしまうことになる。
仕事柄、被災された方々に対応する毎日
変わり果てた生活にショックを受けすぎて
「撮ること」ができなくなってしまった。
3.11から1ヶ月後のこと。
また「撮ること」ができた1枚
福島県いわき市
あの日がなかったように桜が美しく咲き乱れていた。
原発事故のために避難していた人たちは町に戻りはじめ、桜の咲くこの道を散歩しながらお花見していたのだ。
桜の下は歓声や、子どもたちの笑い声に包まれていた。
あの日がなかったら
特別な光景だとは感じず、立ち止まらずに
撮らなかったかもしれない。
嬉しくて嬉しかったことを今でも覚えている。
こうしてまた撮ることができるようになり、
わたしにとって「撮ること」はかけがえのないものになっていく。
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