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三浦君の“掌”

手の平じゃなく「掌」 たなごころ。
へぇ~こんな字があるんや~
と、僕に教えてくれたのは
二子玉川学園高校硬式野球部監督の
川藤先生。俳優佐藤隆太さん。
ニコガクの。そう、あのルーキーズの。

だいぶ前やな~懐かしい番組。
さすが本物、上地雄輔さんだけは
群を抜いてた。
バット持っても、グラブはめても
そのひとつひとつの動きがそのものだった。
雰囲気というか…

昔、僕が草野球やってた頃に
こんな人がいた。
「俺、PLで野球やってたんや」
事前に直接本人から僕に言ってくれた。
「えっ、あのPL学園?マジで?すげぇ」
良かったら助っ人に来て下さいよ!
誘ってみたらホントに来てくれた。
「今日はよろしくお願いします。
我々は邪魔だけしないようにしますので
どうか、思う存分暴れて帰って下さい」
って僕も挨拶をしたのだが……
ベンチに座ってから、なかなか腰が
上がらない。僕はすぐ察知した。違うと。

その人に言った。キャッチボールしてくれ
ませんか?重かったであろう腰を上げて
グランドに出て来てくれた。
もうすでに確信した。絶対違う。
一球だけやりとりした時点で あ~あだった。

その嘘の事は何も言わず
「九番右翼手」で出場してもらった。
きっと辛いだろうな~と思いながら
僕はファーストからできるだけカバーに
回った。その人が帰る時の背中が
小さかった…。(そら、そうなるわな)
そんな思い出がある。チャンチャン。


それと突然ですが
これがホントのカットボール⚾️

な~んちゃって。チャンチャン ×2。




前置きはこのくらいにして
さて、いよいよ本題で~す
本日の主役は…❬ドラムロール鳴る❭
でっでっでっ
伝説の四番サード三浦君です!!


伝説の四番の正体はここに▽▽


毎朝の朝礼の前にラジオ体操がある。
僕は、三浦君のやや斜め後ろ2mにいる。

なるべく気付かれないように、こそっと
盗撮したのが冒頭の画像なのです。

普段は余り気にしてないから見てなかった
んやけど、この前何故かしら目に入って
きた。奴の手の平…改め「掌」

うっわぁ~って心の中で一人思った。
あのマメ。みむも。
豆とマメとまめの宝石箱や~
でも、すぐわかった。あの鉄製のラックを
毎日毎日手作業で運んでくれてる
努力の証やな…と。

△写真はイメージです。いや本人です。
わざとポーズしてもらってるのでぎこちない
ですが、こんな感じです。笑って下さい△


体操が終わると上村班だけで集まって
朝礼が始まる。
その時に奴に聞いてみた。
「三浦君ちょっと手の平見せて?
皆に見せてあげて!なんでこんなに
豆だらけなん?仕事終わって帰ってから
BENの重たいマスコットバットで素振り
とかしてるん?(笑)」

「いいや、大丈夫や~別に何もないわ」
と奴は答えた。格好ええ奴。

その日は逃したのだが
数日経ってから今度は正々堂々と
お願いして写真撮らせてもらった。
それがこれ👇️

何故かしら山ちゃんも特別出演してくれた。
ちなみに、この二人には軽度ではあるが
知的障害がある。

手相占いじゃありません(笑)
でも、こうしてみて気がつきました。
奴の指の第2間接の所には全部仏眼のような
しわがあるじゃあ~りませんか。
これはこれでスゲェです。
守られてる~?
もしかして神様?
てっきり動物やと思ってたけど……。

ちなみに僕も参加。
かないません。頭上がりません。
仏眼ありませーん。はいザンネーン。

ちょっと悔しいからマジックで
書いたった。偽物のしわ


見逃しませんよ三浦君!

また新たに伝説を残しましたね。
しかも全国放送で!


でっ伝説の四番サード三浦
ここにありぃぃ!!!
守備範囲10cm。
フライは99%捕れない。
両手放し乗り見せつける。
会費に商品券持ってくる。
他人んちの冷蔵庫の中覚えてる。
そない言うてんやったら
帰りますわって帰ってしまう。
ええやんかこれでって逆切れ
する。
仕事の発表会の全国大会の会場が
東京国際フォーラムやった時
あれだけ行くの嫌がってた
ニューハーフショーにも関わらず
出てきた時の「よかったねぇ」
その時の顔最高やったわ~。
そんなの関係ねぇ!
アンタ格好いいよ!
大谷翔平さんより素敵だよ!
(大谷選手ごめんなさい)
障害とか、あるとかないとか
関係ない。その手が物語ってる。
三浦君の頑張りを!
一緒に仕事させてもらってる事を
誇りに思う。

我が職場のHEROです。
ヘェロォです。
いやヒーローです?


彼との出会いはイナバウワーから始まり
ました。荒川静香選手の。スケートの。
まだお互い違う現場の時。
彼が腰に手を当ててストレッチみたいなの
をしてる時に、たまたま横を僕が通り
かかった時「三浦君何しよん?」って
聞いた時の返事が「いやイナバウワー」。
これが伝説の始まりでした。
最初の「いや」って言うのは口ぐせなのか
山ちゃんもよく言います。

三浦君も当時は簡単な作業しかしてません
でした。ただ彼はよく気がつく気がきく
よく動く。他人がやってる事をよく見てる。
他人の作業の事までわかってる。
「ここ違うわ」ってわざわざ他人の事にまで
口突っ込んでた。
その後どうなったかはご想像に任せます。

その翌年の年度変わりの頃についに一緒に
仕事する事になりました。
三浦君と、その時の上司との関係は
いざ知らず……。
上村君……。三浦君も機械動かせるように
指導したってな。やってみるって本人も
言ってるから。頼むわ。 と。
もっと上層から。

その時すでに山ちゃんとの怒涛の日々を
繰り返してたので、良くも悪くも
もう一人増えるんか、障害のひと。
特別学級やな。本音を言えばこうなる。
わかったと返事した以上はやるだけ
やってみるか!と僕も覚悟した。

それから数年は山ちゃんと同じ。
怒涛の日々が二倍になっただけ。
あ~しんど。めんどくせぇ。これも本音。
お前、アホかっ! うん。
うんって言うな(怒)
ちっ、このくそアホんだら。これも本音。
毎日毎日、こんな繰り返しでした。

ただ、三浦君はよく見てる。
そして下手なりに真似してくれる。
これが非常に良い所。
自分もやってみてくれる。
だから覚えられる。僕が説明しても
話しが早い。
自分でやってみてくれてるから。
少しずつ少しずつ体で覚えてくれた。
やればできる。山ちゃんに続き実現
してくれた。

山ちゃんは車の免許持ってる。
相当苦労したようだ。
やり直しもしたらしい。
三浦君は自転車。免許はない。
それでも二人共、リフトの免許とってきた。


やるねぇ(城東の山田敏光風な発音)
年代が年代なもので、わかる人少ないかな。


三浦君が毎日毎日引っ張ってくれてる
ラックの中には自分達がその日仕事を
する為の材料(製造中に出た不良品)が
入っている。
写真のは袋入りだが、そのままのロール
状のものもある。これが結構重たい。
自分の全体重を掛けないと動かないのも
ある。
写真もまんざらウソではない。

別にリフトですくって移動させても
何ら問題はない。
手で運べよって指図もしていない。

三浦君が自分で気を使ってやってくれてる。

狭い所もあるから、もし自分がリフトで
やると事故するかもしれない
と言う心使いだ。 きっと?おそらく?
そのお陰で、チーム上村は無事故継続日数
もうすぐ3000日。
社内で断トツ一位なのです。
このメンバーやのに。
それしか自慢できる事ないけど(涙)


頭が下がる………。


三浦君と一緒に働きだしてから約14年。
山ちゃんより一年遅れやったから。

その14年のほとんどをああやって
引っ張って移動してくれている。
一日にすると2、3回の事でも14年となると


凄い。積み重ね。


本人からすると別に大した事はないと思う。
これが努力なんだな~これが。


お見事!あっぱれ三浦君!

是非皆さんに見て頂きたくて
書きました。


でもね、こうやって素晴らしい事の
裏側には、厳しさがあると言うことを
お伝えしたいのです。
ええことばかりでは決してないんです。

未だに無責任な所を怒られている最中
なんです。僕には、肘をさわっただけで
その人が何を言いたいかわかるような
能力もありませんし、毎日優しく接する
のも、ほとんどありません。
アホな話しで笑う事はあります。
今日も「心の声だだ漏れやん」って
めっちゃ笑いました。
それこそ僕が目指してる現場なのです。
ええ子になるのではなく
真面目なふりをするのでもなく
「やる気ないわ~」って遠慮なく言える
現場というか。
そこから頑張れるというか。


優しさだけじゃ仕事は進みません。
期限もあります。
いつまででも待ってられない時もある。

その厳しさを受けて立つのは本人です。
その気持ちがあれば周りも助けてくれます。

それもなく、ただ毎日助けてもらって
当たり前の態度をされると
そら、周りだって呆れてきます。

いちいち、前もって言い訳を言ってる
場合じゃないんですよ!
自分はどうするん?が大切です。


そういう所も含めまして


是非是非
三浦君の掌を絶賛したいです!
皆様もしてやって下さい!


ありがとうございます🙇
失礼します🙇
















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