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小鳥と新月と日記《12月15日(日)》
12月15日(日)
朝6時に目が覚めた。
1時間ほどゴロゴロしてベランダに煙草を吸いに行く。昨日の夜2時間も外にいたのに風邪をひいた気配が少しもしない。つくづく丈夫な体だな、と思う。
机の前に行き、昨日もらったカイロに手を伸ばすとまだ温かくて、昨日の優しさを持って帰ってきているような気がした。カイロをにぎにぎしながらPCでTVerを開き、土曜日に放送された夜明けのラヴィット!を流す。
昨日買った、割引されたオレンジブレットを頬張る。食パンの耳は好きじゃないので、耳があるパンは必ず先に耳を食べてから白いところを食べる。外ではこんなことしないけど、今は家にわたしひとりだけなので、お行儀が悪くてもいいだろう。
朝ごはんを食べ終わって、音楽を聴きながら昨日の日記を書く。
集中していたら13時になろうとしていた。今日は14時半から、詩の朗読イベントへ行く。
急いで出かける準備を済まし、家を出る。場所は神保町なので、都営新宿線直通の電車に乗って35分ほどで乗り換えなしで到着する。会場は小川町駅からの方が近くて、地上に出て2分で着いた。それでも時間は15時。
入り口のドアを開けるとすでに一人目のアーティストの方がライブをしていた。受付でチケットのQRを見せてドリンクを頼む。見知った顔が何人かいてほっとした。
詩の世界と電子音楽の世界が合わさり、まるで夢の中にいるかのような空間だった。何と言うか、もう、ほんとに凄かった。わたしの少ない語彙力で表すのが憚れるくらい、言葉と音に魅了されたライブパフォーマンスだった。
イベントは20時まで続いたが、フリーの時間になったので会場を後にした。同じくイベントに来ていたJさんとTさんと居酒屋に行って他愛もない会話を楽しんだ。居酒屋を出てからはJさんとTさんとは交差点で別れ、わたしは神保町駅へ向かう。
今日は最高のパフォーマンスを見れて気分がいいので、千歳烏山駅から歩いて家に帰る。
そうだ、今日は満月だった。満月は不気味で、少し怖い。空を見上げると、紺青色の天井にぽっかりと琥珀色の真ん丸な穴が空いていた。それはまるで、この地球という箱の中を、誰かが宇宙から覗いているようだった。