浅草キッド
ビートたけしの半生を描いた映画「浅草キッド」
私は何を学んだのか、言葉にしてまとめたい。
「人は誰かの中で生き続ける」
深見千三郎さん(たけしの師匠)の存在を知り、たけしの芸人への深い愛情は、深見さんがルーツと知った。たけしの中で深見さんは生きている。
映画は3度観たが、その後はYouTubeなどで関連動画を漁った。深見さんは客に媚びず、笑いとは何かを提示し続けた人だったそうだ。徴兵を免れるために、自らの指を切り落とした。
そのおかげで戦場でなく舞台に立てた芸人だった。
なくなった指すらも笑いに変えた。
北野武の映画「BROTHER」にこんな台詞がある…
「Fuckin' Japくらいわかるよ馬鹿野郎」
これはきっと、深見さんの口癖
「芸人だよ馬鹿野郎」という言葉から来ていたのだろう…
人を見下して、憐れむ。
芸人など卑賤な仕事だと笑う。
深見千三郎は、それらを全否定し
卑賤な仕事などなく、卑賤な人がいるだけと
真正面から笑いの芸術的価値を上げようとした。
お客からお金をいただくことへの敬意があった。
若い頃のたけしにこう教えるシーンが印象的だ。
「笑われるんじゃねぇぞ、笑わせるんだ」
いつだって何が面白いか、決めるのはこっちだ。
深見さんの死後、たけしがお笑い芸人の価値を上げようと活動しているのも
心のどこかに
「芸人だよ馬鹿野郎」という気持ちがあるのだろう。
名だたる有名企業、HONDAや TOYOTA
GUCCIにCHANELもブランドの中に先人達の想いが生きている。だから、愛され続けるのだろう。
フランス座のエレベーターボーイが
今は1億円のロールス・ロイスを転がしているが
始まりは深見千三郎さんの
愛情たっぷりの「馬鹿野郎」だ。