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ダルいだけの皿洗いを、「苦ではない」ものにする工夫

「皿洗い」

もう、文字を見るだけでダルい。想像するだけで嫌になる。

食事後や寝る前にシンクに放り込まれっぱなしの食器を見ると、心底億劫な気分になる。絶対にやりたくない。そのまま寝てしまいたい。

皿洗いが面倒くさくてやりたくない作業であることなんて、もちろん今に始まったことではない。当然僕だけではないだろう。おそらく、中世の頃くらいからダルい家事だっただろうに違いない。

その皿洗いは、2024年になってもまだダルい。
だからこそ、今、あんなにも食洗機が売れている。ドラム式洗濯機、ロボット式掃除機に並ぶ、「令和の三種の神器」だそうだ。人類は、いろんなものを洗う手間を惜しみ、叡智を結集してその自動化を試みてきた。

もちろん、食洗機の導入は我が家でも何度も検討した。いろんな方式、サイズ、置き場所で食洗機を置けないかを検討した。けれど、キッチンの構造上、どうしても置き場所がなく、その度に断念した。

食洗機は使えない。そうなると、手洗いをするしかない。
そこで、どうにかして、このできるだけやりたくない、ダルいだけの皿洗いをなんとか「苦ではないもの」にできないかと考えた

毎日、仕事の合間や食後など、少なく見積もっても45分は皿を洗っている。この45分を少しでも楽にしたいという、自然な成り行き。

そう思い立って、皿洗いを少しでも楽しくするための工夫をいくつか取り入れてみた。

すると、ダルいだけだった作業が、実際に少しずつ苦ではないものに変わっていった。もちろん、ダルいのはダルい。でも、「うん。まぁ、やるか」くらいに、そんなに腰が重くなるような作業ではなくなっていた。

アドバイスと呼べるほど大袈裟なものではないが、実際にどんな工夫を取り入れたのか紹介してみようと思う。

1. 良いスポンジを使う

スーパーやドラッグストア、100均などで売っている安いスポンジを適当に使っている人も多いと思う。それは少しもったいないことをしている。

スポンジは皿洗いで直接使うほとんど唯一の道具と言ってもいい。だからこそ、できるだけハリがあって、長持ちする良いスポンジを使おう。良いスポンジを使えば、安くてしょぼいスポンジを使うより皿洗いがちょっとだけ楽しくなる。

もし使ったことがない人は、ぜひ一度「サンサンスポンジ」を使ってみてほしい。
「スポンジにもこんなに幅があるのか......」と驚くはずだ。値段はひとつ400円弱と、格安のスポンジに比べると倍以上する。けど、間違いなくその分の価値はある。

「良いスポンジ」といっても、あくまで消耗品であり、安いものに比べてべらぼうに値段が上がるわけではない。せいぜい数百円の差だ。

最近は、「できるだけ気分がアガるもので身の回りを固める」というスタイルが気に入っている。良いスポンジを使うのもまさにその発想。たった数百円の出費で、毎日のダルい皿洗いがちょっとでも楽しくなるなら安いものである。

今は、上に挙げたサンサンスポンジ以外にも、ちょっと高級路線の「良いスポンジ」はたくさん種類がある。材質や手に持った感じも、ものによって全然違う。ぜひいろいろ試してみて、お気に入りのスポンジを見つけて欲しい。

2. おもしろいラジオを聴きながら洗う

皿を洗うという行為は単調で、長時間やっていると飽きてくる。シンプルにつまらない。

つまらない作業なら、自分の好きなコンテンツに触れながら作業すればいい。もしかしたら、もう多くの人がやっているかもしれない。

僕はお笑い芸人のラジオや知人がやっているPodcastを聴くのが好きなので、それらを聴きながら作業している。もちろん、好きな音楽を聴きながらでもいいし、YouTubeやNetflixを観ながらでもいい。

最近は、「マユリカのうなげろりん!!」や「エバースのモンキー125cc」にハマってよく聴いている。そのほか、音声コンテンツは増加の一途をたどっており、プラットフォームもどんどん誕生している。コンテンツには事欠かないだろう。

ながら作業にすることで「皿洗いをする時間」=「ラジオを聴く時間」にできる。

普通に平日に仕事をしたり育児をしたりしていると、ラジオを聴くだけの時間というのはなかなか取れない。だから、「ラジオを聴くために皿を洗う」みたいな、ちょっと捻れた状況すら生まれつつある。

そのままキッチンにスマホを置いて音声を流してもいいが、皿洗い中は雑音でなかなか聴き取れないので、ワイヤレスイヤホンを使うのがベスト。

最近はワイヤレスイヤホンの進化も目覚ましい。Ankerの「Soundcore」あたりの機種を買っておけば、まあまず間違いはない。

3. 皿洗い用の手袋をつける

あるとき、「なぜこんなにも皿洗いがダルいのか」を考えたとき、その理由のひとつが「手が荒れるから」だということがわかった。

暖かい季節はまだいい。問題は冬。ありがたいことに我が家は蛇口から暖かい水が出るようになっており、冬はそのことに心から感謝しながら、暖かい水で皿を洗わせてもらっている。

当然手が冷えないのでその分は洗いやすいのだが、いかんせん、暖かい水は手の皮脂を奪ってしまう。結果、手はガッサガサに乾燥し、第二関節はぱっくり割れ血だらけになる。そしてハンドクリームが手放せなくなる。

手荒れのケアまでしないといけないのがダルさの原因だとしたら、手荒れしないようにすればいいのでは?と考え、あるときふと思い立ち、キッチン用のゴム手袋を買ってみた。これが大正解だった。ゴム手袋なので当然、まったく手荒れをしなくなった。

マリーゴールドという定番っぽい商品をAmazonで買って使っている。生地がほどよく厚く、丈も十分に長いので水が侵入してくることもない。キッチン専用ということもあり、油汚れにも強い。

これまでなんで素手で洗っていたのか不思議に思うレベルだが、おそらく家庭環境にあるような気がしている。家族の中で皿洗いをするときに手袋を付ける人がいなかったからだ。「皿を洗うときに手袋をする」という引き出しが、自分の中になかった。

素手じゃないので、「ちゃんと洗えてるのか…?」と不安になる側面もあるが、そんなことを気にするのは最初の数回ほど。そんなことより、手が荒れないメリットの方がはるかに大きい。

また、思わぬ副産物もあった。
僕は、皿洗いでも、普通の食事中でも、「手が油で汚れる」という状況に強いストレスを覚える。あの、ヌルヌルベトベトした感じがすごく嫌いなのだ。

ところが、ゴム手袋を装着することで、油汚れのついた皿を洗うときも手が直接汚れなくなった。手荒れがなくなるとともに、油汚れが手につかないという効果もあり、今ではもうゴム手袋は皿洗いに欠かせないものになっている。

4. リカバリーサンダルを履く

皿洗いをするうえで、「手荒れをする」に次いで大きいストレスだと思っているのが、「ずっと立ちっぱなしだと疲れる」というもの。

洗濯や掃除と違い、皿洗いはずっと同じ場所に、同じ姿勢で立ちっぱなしでいる必要がある。これはシンプルに足腰が疲れる。

このストレスを軽減する方法として見つけたのが、ランニング用のリカバリーサンダルを履くというもの。本来リカバリーサンダルは、ランニングやジョギング終わりに疲れた足を回復するために履くもの。それを家の中でも履いてしまおうというアイデアだ。

僕はウーフォスのリカバリーサンダルを履いているが、皿洗いを含めた家事中にこれを履くのと履かないのとでは、足の疲労度がまったく違う。ふわふわもちもちした履き心地で、かかとに掛かる荷重が明らかに軽減されるのを感じる。

「皿洗いのストレスをなくす」という意味では、方向性としては皿洗い用手袋の装着に近いかもしれない。

良いリカバリーサンダルは、そこそこ良い値段がする。ウーフォスのものはだいたい9,000円前後。家の中で履くものとしてはまあ高い。

けど、皿洗い以外にも履いていられる時間は長いので、コスパは高い。ちなみに、僕は家の中にいるときは基本的にずっとこのサンダルを履いている。

まとめ

考えるだけで気持ちが落ち込む、ただただダルい日常の「皿洗い」。
そこにほんの少し工夫を取り入れるだけで、ちょっとだけ前向きになれるとしたら、試してみる価値はないだろうか。

あなたの皿洗いライフが少しでも楽しい時間になることを願っている。