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【この船、地獄行き】映画『オオカミ狩り』感想&紹介
まさに殺しの出血大サービス
『オオカミ狩り』は大量の凶悪犯を移送する貨物船を舞台にした暴力度指数MAXのアクション映画だ。
船内で繰り広げられるのは、囚人vs警察vs化け物による三つ巴バトルロイヤル。
監督は『メタモルフォーゼ 変身』のキム・ホンソン。『パイプライン』のソ・イングクが凶悪犯ジョンドゥを熱演したことでも話題となっている。
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とにかく気持ちいいくらいに人が死んでいく映画です。
成人指定にならなかったのが不思議なくらい残虐描写に容赦がない。
2017年に韓国人犯罪者がフィリピンから集団送還されたニュースから着想を得たとのことで、映画も凶悪犯たちが船に移送されるところから始まる。
この場面からして既に不穏な空気がビンビン。
悪態をつく犯罪者、血反吐が出るまで殴る刑事。
この船旅では法律なんて当てにならないことが分かるし、これから起こる惨劇も予想させる。
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船に乗ってからも緊迫感は続く。
貨物船という密室空間の中で壁1枚を隔てて対峙する凶悪犯と刑事たち。
張り詰める空気。
今にも何か起きそうな雰囲気。
このシチュエーションだけでもう怖い。
凶悪犯たちは脱獄計画を立てており、その計画は静かに進んでいく。さらに貨物船の奥深くには得体のしれない化け物もいるようで…という風に物語が進んでいく。
脱獄までの流れは体感的にもあっという間。面白いというかひたすら楽しい。
この映画、素晴らしいのが出し惜しみを一切しないこと。
人死にも暴力も常に全力。
暴力描写も遠慮がないし人も次々死んでいく。
ムスカじゃないけど本当に人がゴミのよう。
人の腕がぶっ壊れるのを見て「ウヒョー!」ってテンションがぶち上がる人には堪らないと思う。
※逆に暴力描写が苦手な方には拷問の時間でしかないので気をつけて!
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しかし、こういう暴力描写で興奮するのは何故なんだろ。陰鬱なのに爽快。ヒドいと思う一方興奮もする。理性と本能が同居してる不思議な感覚だ。
物語中盤には「え?この人ここで退場するの?!」という意外な展開があるので、誰が生き残るのか最後まで分からず緊迫感が途切れることもない。
この映画、もう一つ素晴らしいのが全員キャラが立っているという点。
登場人物の数は多いけど、キャラクターが立ってるし、主要人物には見せ場もある。
人数が多いの感情移入するキャラクターも見つかることだろう。
ちなみに自分の推しキャラを3人紹介しておきたい。
1人目は凶悪犯のジョンドゥ。
殺人&強姦と罪状にも同情の余地はないし、殺し方もエグい。
正真正銘のクズなのにビジュアルや表情も相まって怖格好良いキャラを確立してる。早くも今年ナンバー1候補の素晴らしい悪役。
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2人目は刑事のイ・ダヨン。
可憐でセクシーなので推さざるを得ない。しかも、この人単独行動が多いので「死なないで!」とヒヤヒヤさせられることが多い。
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3人目が頼れる班長イ・ソグ。
俊敏性といい耐久性といい「あなた本当に人間ですか?」と言いたくなるくらいの不屈の精神の持ち主。最初から最後まで格好良い。
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物語は中盤から謎の化け物により生き残り競争に変わっていくが、後半からはより予想外の展開になっていく。
後半の展開は好き嫌い分かれるかも。
自分は良くも悪くも漫画っぽいという印象を受けた。また前半の展開が好き過ぎたので、少し物足りなさも感じた。
ただ、色々てんこ盛りなのでこれはこれで楽しい。話が色々飛んだりするので飽きることはないんじゃないだろうか。
後、個人的にはジャンプスケア演出が苦手なので、そこまで多用されてなかったのも良かった(化け物の神出鬼没な登場には驚かされるけど)。
ということで地獄巡りの2時間クルージング、またはジェットコースターのようなノンストップアトラクション。存分に楽しませて頂きました。
興味ある人は是非ぜひチェックしてみてね。
※映画と関係ないけど、今回の記事のタイトルは下に挙げた児童書から拝借。
小学生の頃読んでとても印象に残ってる本。今回のタイトル考えてた時に内容にピッタリだったので。
※劇場パンフレット
内容はキャスト紹介に簡単な相関図、ソ・インググとキム・ホソン監督へのインタビューなどを中心にまとめられてる。
6ページに渡るソ・インググのグラビアページがあるので、ファンの方は要チェック!(鑑賞した時は品切れてたけど再入荷してるっぽいので買い逃した方もチェックしてみては)
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※グッズ展開も幅広くやってるようなので、気になる方はクロックワークス様のアカウントをチェック!
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