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ポピュラー和声学

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#コード進行

コード理論と和声学の違い

コード理論と和声学の違い

音楽を勉強してみようと思う人が、結構最初に出会う「コード理論」「和声法(学)」という頭が痛くなる言葉。どんな違いがあって、自分がどれを学べばよいのか紹介します。

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コード理論の考え方コード理論は、「音の集合体」を「塊」として扱い、どのようにしてつないでいくかに注目します。
「和音の形態」を記号化した「コード・ネーム」で扱うことも特徴的です。

和声学の考え方それに対して、和声学は

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ポピュラー和声学「倍音とスケール」

ポピュラー和声学「倍音とスケール」

自然発生する倍音とスケールには密接な関係性があります。

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自然倍音列とは?ある音を鳴らすと、その倍数の音(倍音)が自然現象として副次的に生まれます。この倍数の音のセットを「自然倍音列」と言います。

一部の音はピアノにない音程となり、
倍音を追い求めたバーバーショップなんかのジャンルだと、1/6低いシ♭の音を積極的に使用したりします。

倍音から生み出すスケール倍音でオクターブの

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ポピュラー和声学「和声学の禁則とは」

ポピュラー和声学「和声学の禁則とは」

和声学を勉強していると「禁則」というものに出会って、こんなに色々と覚えないといけないのか、っとげんなりしたことがあるかもしれません。
しかし現代の曲ではこういった「禁則」が守られていない例が多くあります。どう考えていくべきなのでしょうか。

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禁則とは?古典様式や書法においては守ったほうが良いとされる和声を組み立てるルールです。
「古典様式や書法においては」というところがポイントで

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ポピュラー和声学「三和音の連結」

ポピュラー和声学「三和音の連結」

3和音を連結するための、スケールにおける各和音の役割をご紹介します。

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機能和声的な連結「倍音とスケ―ル」の記事にて紹介した通り、自然倍音で見られる完全5度から導き出される関係性(ソード)をⅤ-Ⅰとして和音化して強調し、和音の並べ方や前後関係を体系化したものが、西洋音楽の根幹をなす「機能和声」です。

ダイアトニック・コードオクターブ内に全音5つと半音2つを含むダイアトニックスケ

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ポピュラー和声学「転回形の使い方」

ポピュラー和声学「転回形の使い方」

和音の印象を変える転回形と使い方のコツをご紹介します。

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第1転回形とは?和音の性格を表す3rdがバスにある配置を第1転回形と言います。
バスと根音の間に6度音程が含まれるので、完全5度な基本形とは違った柔らかな感じの響きになります。
男声合唱だとバスの3度がくぐもりやすく(ローインターバルリミットも近くなるので)、和音の色を出す難易度が上がる傾向にあります。

第1転回形の使い方

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ポピュラー和声学「機能和声とは違ったモードの世界」

ポピュラー和声学「機能和声とは違ったモードの世界」

我々が良く耳にする機能和声(メジャーやマイナーな世界)とはまた少し違ったモードの世界をご紹介します。

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モードとは?メジャーキーやマイナーキーは「モード」と呼ばれる体系の中に含まれていたものが、機能和声のために独自発展していったものです。
元々メジャーキーはアイオニアン(Ionian)、マイナーキーはエオリアン(Aeorian)という「旋法」でした。

本来、このモードというのは旋

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ポピュラー和声学「機能和声とは違ったモードの世界 その2」

ポピュラー和声学「機能和声とは違ったモードの世界 その2」

普段聞いている音楽の多くは機能和声に従っていて、メジャーかマイナーのものが多いですが、実は旋律とそれに付随する和音の組み合わせのバリエーションにはより多様な世界が存在しています。

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移高と移調と移旋と転旋移行と移調は同じ世界感の中で、音の高さを変更します。カラオケのキーを変えるようなものです。

移高
相対的な音の関係を変えずに音の高さを変化させることです。

移調
移高の内、機能

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ポピュラー和声学「4和音」

ポピュラー和声学「4和音」

ポピュラー音楽では基本的な3和音だけで構成されている音楽は非常に稀で、ミュージシャンの個性が大きく出てくるのはこの4和音からでしょう。

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4和音の誕生ポピュラー音楽の文脈では「3度堆積をさらに積み上げて作られる」くらいの説明のため、4和音の誕生自体も3度堆積により作られたかのように思いますが、実際はメロディの非和声音がコードとして認識されるようになった、というのが起源です。
この辺

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ポピュラー和声学「セカンダリードミナント」

ポピュラー和声学「セカンダリードミナント」

1曲の中で臨時記号が1つもない楽曲は非常に稀で、多くのポピュラー音楽では、一時的に違う調から音を借りてきて楽曲を彩っていきます。

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セカンダリードミナントダイアトニックコードのトニックでない音をトニックとみなして(トニック化)、新しいトニックへのドミナントを作ることができます。これをセカンダリードミナント(2次ドミナント、借用和音)、と言います。
特に、Ⅴの和音に対するセカンダリ

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ポピュラー和声学「変化和音と付加和音」

ポピュラー和声学「変化和音と付加和音」

基本のメジャー、マイナーコードだけだと、前後の和音の接続性や色合いが物足りなく感じるときがあるので、和音を変化したり飾りを付与したりすることがよくあります。

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変化和音と付加和音変化和音(変位和音)は本来のメジャー、マイナーコードが変化した和音、付加和音はメジャー、マイナーコードに音を付け足した和音です。

変化和音には、フラット5th、Augmented 5thがあります。

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ポピュラー和声学「転調」

ポピュラー和声学「転調」

曲の後半で盛り上げたり、サビをあえて下げることで歌いやすい調にするために転調が用いられることが良くあります。

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転調とは?調の中心をずらし、その別の調を確立することです。
セカンダリードミナントは別の調を確立していないので、転調とは異なります。
また、同主調への移動は正確には転旋ですが、広義には転調の一種と捉えることもあります。

近親調とは?関係調(Related Keys)とも

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ポピュラー和声学「テンションコード」

ポピュラー和声学「テンションコード」

和音に彩りを与えるテンションコードですが、かつては非和声音として旋律を彩るものとして登場したものが今ではコードとして定着しました。

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テンションコードの捉え方和声学ではテンションとして付与される音を、非和声音と解釈し、元の協和的な音に戻ることを前提とします。元の協和音を原位音、非和声音に移動した音を転位音と呼びます。
対して、コード理論では、単純に3度堆積の拡張としてテンションコ

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