ポピュラー和声学「機能和声とは違ったモードの世界 その2」
普段聞いている音楽の多くは機能和声に従っていて、メジャーかマイナーのものが多いですが、実は旋律とそれに付随する和音の組み合わせのバリエーションにはより多様な世界が存在しています。
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移高と移調と移旋と転旋
移行と移調は同じ世界感の中で、音の高さを変更します。カラオケのキーを変えるようなものです。
移高
相対的な音の関係を変えずに音の高さを変化させることです。
移調
移高の内、機能和声の長短音階のものの音の高さを変化させることです。
対して移旋(転線)は旋律の種類とそれに付随する和音の組み合わせや役割を変えるので、違う世界に移るような大きな変化が起こります。
移旋(転旋)
主音の音高を変えずに旋法の種類を変えること。
長音階から短音階へ(モーダルインターチェンジ)、イオニアンからドリアンへ変えるような動き。
メジャー・マイナーと各モードの和音比較
メジャー・マイナーと各モードで使える和音の比較です。
同じCを中心とした旋律でも大まかなもので7種類あり、それらは移旋によって全く違った和音セットへ移動します。
モードで使う際は原則、減和音などは使えないので以下は使用できません。
・リディアンのFis dim
・ミクソリディアンのE dim
・エオリアンのD dim(マイナースケールの場合は使用可能)
・ドリアンのA dim
・フリジアンのG dim
またロクリアンのトニックはadd4で置き換えられる場合が多くあります。
例えば以下の曲なら、D majorでサビ前まで曲が流れますが、サビでC#の音にナチュラルがかかって、ミクソリディアン的に移旋して、導音的な動きが和らげられていることが分かるかと思います。
まとめ
機能和声と違ったモードな進行との比較を行いました。
意外と探してみると身近な曲でも効果的に使われていることがあります。