看取り～介護と死別を通して得られた家族の絆とは～（８）
５月１日（土）
お父さんの調子はいつも通りだったが、僕が夜遅くコンビニに酒を買いに行ったら、僕が刺されるんじゃないか、とお父さんは心配したようで、反省。
５月２日（日）
１６時ころから一緒に散歩した。公園を通って、交番のところまで歩いただけなので、そんなに歩いてはいない。
５月３日（月）
H公園でモンゴル祭りをやっていた。お父さんと二人でちょっと見に行った。その後一人でまたH公園に行って酒を飲んだら、記憶がとんで、気づくと部屋の廊下で寝ていてた！
５月５日（水）
昨日届いた『ガンが消えるジュース』を参考にグレープフルーツとリンゴとキウイでジュースを作って飲んでもらった。散歩はいつもより歩けた。体力はあるようだが、ここ４，５日胃がチクチクすると言っていた。
５月６日（木）
点滴の日。連休明けだからとても混んでいた。帰りは電車で帰ってきた。胃の痛みもないと言っていた。
５月７日（金）
朝はけんちん汁とカリフラワーのスープを両方少しづつ食べた。ヘルパーさんがきてくれたが、スープをあたためるだけでは悪いと思ったようで電子レンジを掃除してくれたそうだ。僕は今日は宿直勤務だったので、夜心配で３回電話した。
５月８日（土）
M団地引っ越しの抽選日。１号棟×××号室に決まった。お父さんに知らせるととても喜んでいた。かぼちゃのスープを作る。お父さんの散歩がてらK薬局にエンシュアリキッドを取りに行った。
５月１０日（月）
ヘルパーさんが床掃除をしてくれたそうだ。結構スープを食べられたとメモがあった。お父さんがミネラルウォーターを箱で買ってきた。思ったより体力があるのだなと驚いた。明日ケアマネさんに病院の通院補助を頼もうと思う。行だけ病院に連れて行ってもらえれば、帰りは僕が付き添えばいいので助かる。
５月１３日（木）
ジュースは食物繊維が多いのでお腹がいっぱいになるのかもしれない。夜ジャガイモのスープを作った。ヘルパーさんは気を使うから疲れるといって、機嫌が悪かったので、僕もつられて機嫌が悪くなった。
５月１４日（金）
朝仕事に行くとき、ほとんど口を利かなかったが、夜には機嫌を直してくれたようでよかった。
５月１６日（日）
昨日は飲んだくれて散歩に付き合えなかったが、今日は一緒に散歩した。けんちん汁をつくって、あさりを入れてみた。
５月１８日（火）
昨日今日と残業となる予定だったが、昨日はすこし残業だったが、今日は仕事が早く終わって定時で帰った。心なしか元気がないようだったが、一喜一憂してはダメだと思った。明日の診察にケアマネさんが来る、と留守電があった。
５月１９日（水）
朝４時ころから胃ろうをして、病院へ。行きは、ヘルパーさんに通院介助をお願いした。僕は午後半休をとって病院へむかった。ケアマネさんがきていた、少しお話をしたら、帰られた。お父さんはポートの抜糸をした。少し右の脇腹が痛いと言っている。来週CTを取るとるとO先生から言われた。
５月２０日（木）
今日も朝４時くらいから胃ろうをした。昨日より食欲があると言っていた。お父さんと一緒に散歩をかねて、K薬局にエンシュアリキッドをとりにいった。
５月２１日（金）
僕はたくさん酒を飲み、廊下でまた寝てしまった。酔っぱらうと廊下で寝る癖があるようだ。お父さんはそんな僕に毛布をそっと掛けてくれた。明け方目が覚めて反省。
５月２２日（土）
お父さんはテレビを見るくらいしか楽しみがないので、昔好きだった競馬をすすめてみた。一緒に散歩に行ったついでに競馬新聞を買って渡した。今はインターネットで馬券が買えるのでそのやり方を調べた。
５月２３日（日）
雨だったので団地の廊下を２０分くらい歩いた。体調は良さそう。なんと今日のオークスを当てて二人で喜んだ。僕は昔ギャンブルを嫌いだったが、お父さんが楽しんでくれるのならば構わない、と考えを変えた。休んでる英語学校や道場にもいっていい、と言ってくれた。ちょっと調子を観察してどうするか決めようと思った。
５月２４日（月）
朝ジャガイモのスープを少々食べた。少し残業になった。雨だったがスーパーで水や野菜ジュースを買ってきたようだ。一緒にサッカーを観た。
５月２５日（火）
引っ越しの準備で段ボールを用意したので疲れてしまったようだ。
５月２７日（木）
僕が帰ってきてしばらくして部屋に行って寝た。僕に気を使って、帰ってくるまで起きているようだ。
５月２９日（土）
カリフラワーのスープを作った。ブロッコリーを入れなかったら真っ白なスープになった。一緒に散歩して途中で競馬新聞を買った。
５月３０日（日）
今日は、ダービーだったので、一緒に競馬を観たが結果は外した！でも一緒に楽しめたので良かった。
５月３１日（月）
住宅供給公社から引っ越しについての手紙が来ていて、嬉しそうに読んでいた。カリフラワーのスープはおいしくなかったようであまり食べていない。
次話へのリンク
著者のプロフィール
フォローやスキはたいへん励みになります。押していただけるととてもうれしいです。