看取り～介護と死別を通して得られた家族の絆とは～（１６）
１０月１日（金）
日中電話したときの声が弱々しかったが、帰ると顔色は良かったので安心した。
１０月２日（土）
１４時ころ車椅子で散歩したが、帰ってきて元気だったのか団地の廊下を歩いて一周した。今日は調子良さそうだったが、明日あたり調子を崩すか？
１０月３日（日）
車椅子で散歩してたところ、父をちょっとだまして教会に連れて行った。私の属しているお祈りの会の集まりがあったので、そこに父を少し連れて行った。父はちょっと渋ってたが、ちょっと挨拶してくれた。今日も調子は良さそうだった。だまして連れて行ってつかれちゃったかな、お父さん？
１０月４日（月）
昨日とちがってとてもつらそう。耳がかなり遠くなっている。電話の時も声がかなりかすれていた。
１０月５日（火）
調子は良くない感じ。「昨日よりはいいよ」と言ってくれたので、ほっとした。
１０月６日（水）
胃ろうのチューブを変えてもらった。調子も少し戻ったかも。栄養剤も点滴できた。O先生との問診のとき、「時々激しい下痢をする」と言っていた。僕はそんなこと知らなかったので驚いた。僕に言ってない苦労もたくさんあるのだろうな、と思った。
１０月７日（木）
頬が赤くなっているが、調子は良かったようで、自転車で駐輪場やスーパーに行ったそうだ。でもそれで疲れてしまったよう。まだまだ大丈夫、長生きしてくれるはず。
１０月８日（金）
頬の赤みはとれたが、電話の時の声は良くなかった。
１０月９日（土）
雨だったので散歩はなし。今日明日あたりがつらくなるころか。調子は良くなさそうだった。チューブの根元がだいぶ治ってきた。腹水もない。
１０月１０日（日）
明日友人のSさんが見舞いに来てくれるという。電話で話して嬉しそうだった。昼は晴れていたので車椅子で散歩。明日は調子がいいといいな。
１０月１１日（月）
Sさんが見舞いにきてくれて少し話ができたようだ。昨日よりは調子は良さそうだったが、体力はだいぶ落ちていると思う。
１０月１２日（火）
眼科で検査。僕は仕事を休んで付き添った。２回くらい検査が必要だとのことだが、血管が狭窄してるので、治療は難しいそうだ。だいぶ病院でまったので、疲れてしまったようだ
１０月１３日（水）
電話で話した時、いつもよりはりのある声をしていたので安心した。
１０月１４日（木）
調子が良かったみたいで、仕事帰りに電話すると、「少し遅くなってもいいからね」と言ってくれた。気をつかわせちゃったかな？
１０月１５日（金）
今日も調子が良かったみたいで、「遅くなっていいから」と言ってくれた。甘えさせてもらってちょっと飲んで帰った。
１０月１６日（土）
朝はちょっと調子が悪そうだったが、昼ちょっとよくなったみたいなので、車椅子で散歩に行った。帰りに競馬新聞を買った。
１０月１７日（日）
車椅子で散歩してから、一緒に競馬を見たが、外した。でもいい気分転換になったようだ。
１０月１８日（月）
少し調子がもどったが、介護保険の請求で、浴室に使う介護椅子の請求１９，９５０円にびっくりして僕に訴えてくるので、ケアマネのTさんに問い合わせると、レンタルでなく買取になるので、来月は請求がないとのこと。説明したらわかったみたいでホットしていた。夜はテレビタックルを一緒に見て楽しんだ。
１０月１９日（火）
昼電話した時、元気そうにはしていたが、なかなか良くならないことに不安を感じているようだった。かわいそうだったが、話しを聞くぐらいしか僕にはできない。
１０月２０日（水）
２クール目の１日目。午後半休をとって病院へ。胃ろうの根元の傷が癒えてきたのをO先生も確認した。今の抗がん剤がうまくいっているようだ。
１０月２１日（木）
今度の抗がん剤を打つと、頬が赤くなる。でも今日は調子がいいようだった。
１０月２２日（金）
頬の赤みはとれたが、若干声がかすれる。
１０月２３日（土）
今日は調子はまあまあだったが、僕は昼から飲んでしまい、散歩に付き合えなかった。ごめんね、お父さん。
１０月２４日（日）
いつもは日曜あたりに副作用がでてぐったりするのだが、今日はそうでもなく、まあまあ。１３時ごろ、以前から交流のあったY夫妻が、どこからかお父さんの病気のことを聞いて、訪ねてくださった。Yさんも大腸がんをしたようで、共感できたみたいで、僕も嬉しい。
１０月２５日（月）
電話では若干声がかすれていたが、帰ったら調子がよさそうだった。自分で味噌汁を作った。
１０月２６日（火）
栄養剤が終わってから、昨日の味噌汁を飲んだ。まだ口から食事ができるのだな。
１０月２７日（水）
２クールの２日目。午後から病院に合流。O先生との問診で、便が固いと言って、薬を処方してもらった。
１０月２８日（木）
いつもの頬の赤みがないので、かえって僕はびっくりした。調子は良さそう。
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