楠木建著「戦略読書日記」レビュー
500ページ近いボリュームがありますが、どストライクの大好物。
センスとスキルの違いはじめ、目からウロコがボロボロ落ちる。身も蓋もないが、キレがある。ハッとして、グッときて、ズバッとくる。ダシがきいて、コクがある。ユーモアのセンスが、もうたまらない。
「競争戦略」「経営理論」「スキルよりセンス」などのキーワードに興味がある方は、間違いなくハマることでしょう。
ひとつ注意しておきたいのは、本書を読めばたちどころに素晴らしい競争戦略が策定できるとか、競合に打ち勝つ劇的なノウハウが得られるとか、具体的かつ即物的な効能はおそらくありません。
そうではなく、中長期的な成功や勝利をおさめるにはどのような構えで向き合えばよいか、あるいは反対にどのようなスタイルだと失敗する可能性が高まるかという「イメージ」「センス」を醸成するのに役立つことでしょう。
また、本書をきっかけとして、様々な本を猛烈に読みたくなるはずです。私は年間200冊ほど読みますが、おそらく今年のトップ10に入るであろう1冊です。
興味をもたれた方は、ぜひ。