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架空の犬と嘘をつく猫

寺地はるな・中央公論新社・2020/12/23

羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。
空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、その全てに反発する姉、そして思い付きで動く適当な祖父と比較的まともな祖母。
そんな家の長男として生まれた山吹は、幼い頃から皆に合わせて成長してきた。だけど大人になり彼らの《嘘》がほどかれたとき、本当の家族の姿が見えてきて――?

これは破綻した嘘をつき続けた家族の、とある素敵な物語!

Amazon本の説明から


タイトルがすごく気になった。
「犬」と「猫」って書いてある。
動物絡みの話かなと思いきや「嘘」が
キーワードになってる家族の話って
さらに読みたくなってAmazonでポチる私。

中古本はいつも買ったことを忘れた頃に
やってくる。これもそうだ。
表紙を見るなり、なんだこりゃ 一言でた。

読み始めると1988年から5年ごとに
長男 羽猫 山吹を中心に家族の話が展開している。

とにかく名前が素敵だ。姉は 紅  弟は 山吹。
山吹の妻は 頼(より)。作中 名前の由来が
頼の父から語られるシーンがある。
母が父親は別格扱いしていた家庭で育った私は
もちろん父親に近づきにくく いい思い出がない。
だからこの名前由来に肩の力が抜けて込み上げる
ものがあった。

今の子育ては褒めて育てる。親子で心負担なく
気づかせること、気づくことを繰り返して
未来に繋がってく。

私はこの物語の世代。
親のご機嫌うかがいばかりで逃げ所は祖母。
祖母が特別な存在なのも 体験ずみなだけに
そのシーンはやっぱり込み上げるものがある。

姉、紅の弟、山吹に対する優しさが、きつい
1発言葉になってしまうのも、山吹の紅に
対する 暖かい優しさも 共感する。
私も姉で弟がいるので。

最後に題名である「架空の犬と嘘をつく猫」
お話の内容と題名が結びつく何かに気づけない私。
表紙をみても・・気づけない私・・でした。


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