腹痛から始まる機能障害と対応策
初めに
こんにちは
私事ではありますが12月上旬ごろ食あたりにより
長期間の腹痛に悩まされておりました。
腹痛とともに身体機能の低下、特に腰部・大腿後面の筋肉が強く張り身体の柔軟性が著しく低下するという現象を身をもって経験しました。
今回は腹痛からくる2次的な身体機能の影響を紹介させていただこうかと思います。
食あたりとは
一般的な食あたりとは、摂取したものに何かしらの菌・細菌等が含まれていたためにそれが腸内で増殖してしまいます。その結果腸内で炎症を引き起こし、腹痛や吐き気・下痢などの症状が出現します。
本来腸での痛みのはずのものが、なぜ身体の他の部分にまで波及するのでしょうか?
大腸で生じる痛み
大腸内から脳に情報を伝える上行性繊維ですが、大腸の場合約6割が疼痛を伝えるC繊維で構成されています。そのため、痛みを脳に伝えるのは比較的敏感であることが分かります。
大腸で生じた痛み刺激はC繊維を伝わり脊髄に投射され、脊髄にある脊髄視床路を通って脳に痛みとして情報が伝わります。
その後痛みの、情報を元に脳から腸に向かって自律神経の調整により筋緊張状態を調節させ、毒素を素早く排出させるための反応を起こします。それが嘔吐・下痢となります。
大腸と腰の痛みの関連
この上行性繊維である脊髄視床路ですが、同じ神経髄節での刺激であれば同じ道を通って脳へ伝えられるという事がキーポイントとなります。
大腸を支配している神経は、腰髄神経(L)の1~3と言われています。筋肉も同様に神経に支配されており、腰髄神経1~3の領域は、大腰筋、腰方形筋、腰部の脊柱起立筋群などの腰回りの運動を行う筋肉になります。
これらの筋肉に対して強い刺激が生じたときに感じる痛みも、腹部が痛みを伝えるときに通る脊髄の道と同じ道を通るということです。
痛みの信号を脳がキャッチすると、危険を感じ反射を起こし何かしらの手段を用いて対応しようとします。
普通の情報量であれば問題なく解決するのですが、いつも以上の多い痛み情報量が来た時、脳は混乱してしまいます。この大量の情報はどこから来たものなのかと。
脳はこう考えます。
おそらくお腹の痛みではあると思われるが、腰周囲の痛みの可能性もある。腸も筋肉も怪しいのであれば両方対処しておこうと。
脳は毒素排出のため下痢や嘔吐などの反応を生じさせ、同時に腰部の筋肉を守るために筋緊張を高めようとする反応も出します。これが腰部に感じた張りや、コリを感じた正体でした。
腰部の筋緊張が高い状態となることで、腰部の可動性が低下します。腰部の可動性が低下すると動きにくさを代償しようとするため、骨盤の動きの低下、下肢周囲の筋緊張の亢進し負の連鎖が始まります。
結果私のFFD(床と手の距離による可動性の評価)は著しく低下し、腰部と大体後面の筋群の過剰な張りを感じ可動性は著しく低下してしまいました。
状態を少しでも状態を安定させるために
腹痛一つで身体に大きな負担をかけてしまっていることがわかります。この状態で歩くなどの動作をするとより身体に負担をかけてしまいます。
下痢や嘔吐の症状に対して、今回の場合は排出するのが一番の対策です。受診をするとお医者さんからも電解質の補給と腸のケアをするような薬をもらい、基本的にはしっかり出し切るという対応がなされると思います。なので排出を止めるような薬は基本的には使用されません。
腰痛に関しては、特に無くても大丈夫で、少しでも楽にする方法をとってあげるべきであると考えられます。
生じる痛みの調節に関してはお医者さんとの相談が必要となり、すぐに対応は難しいと思います。
そのため痛みにより反射的に生じた緊張に対して対応し、そこから生じる負の連鎖を止めていく方法が一番実用的な方法であると思います。
方法
おなかの痛いときはストレッチするのもマッサージするのも苦痛だと思います。そんな時はしっかり温める方法をとります。
腰部周囲を温めることにより腰周囲の温度の向上による循環改善、温かい心地よさによるリラックス効果が得られます。
温めるものは腹巻がおすすめです。
また直接的な介入として腰椎の1~3番付近を貼るカイロで温める方法もあります。腰椎の1~3番の目安として、お臍の位置が腰椎の3番目付近となります。そのためカイロの中心はお臍の高さよりも少し上に貼ってください。
まとめ
腰が痛いという訴え1つでも、原因は様々です。原因を探る中で内臓の問題という事も認識の1つとして持っておくことも大切だと思います。
現在開催させていただいているセミナーでは、原因を追究するための評価と、実際に生じる機能低下に対する徒手的な治療法をお伝えさせていただいています。
フェイスブックにてセミナー情報の掲示を行っております。興味のある方はぜひご参加ください。
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