学習、またはハイハイにおける脳内演算処理プログラムの生成
グルーピング・リテラシーは運動によって向上する1
私たちは学習するときや何かを習うときに最初は簡単で単純なことからはじめて、慣れてきたら少しずつ難易度を上げていきます。
それは外国語を習うときも、サッカーや柔道などの格闘技やスポーツも、そして仕事でも同じです。
もしもアルバイトを始めるときや、新入社員で働き始めるときに研修がまったく用意されていないとしたらあきれて辞めてしまう人もいるかもしれません。
初めてなにかを習ったり、研修を受けたりするときに以前、同じようなことをどこかで経験しているかも、と感じることはあまりないと思いますが、脳は私たちの実感とは違う処理をしているかもしれません。人がなにかをできるようになるプロセスはどのようなことが起きているのでしょうか。
養老孟司は何かができるようになるのは、脳の中に「演算処理プログラム」が生成されるからと言います。そして、脳の中に処理プログラムができるまでの過程について、「識字率」と「外遊び」(ハイハイ、運動)の関係で説明しています。
運動することで、あるいは様々な角度からものを見ることで、何と何が同じであるかを認識して「グルーピング」する能力は、かなり複雑で高度なものですが、養老はこれを人間特有の能力であり、生物が進化して五感が退化していく結果として身に付けたものと述べています。
五感が退化して鈍くなってしまった結果、脳の中でそれを補うための能力が必要になったのかもしれません。
ハイハイという運動によって、脳は「演算処理プログラム」を作ります。私たちの感覚では、教科書を読んだり、机上で問題を解くことと運動することはまったく別のことですが、「相似」を中学で習うとき、以前「自然に脳がプログラムを作って覚えていた」ことが利用されるのであれば、学習して理解するということの認識が変わるかもしれません。
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