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弱虫モンブラン

久々にニコ動に行ってみたら、余りの過疎っぷりに驚いた。
 
大昔自分が投稿した曲はどうなってるかな…再生数1万と少し、マイリス500ちょい…大昔とそう変わらない。若気の至りで投稿し、唯一ニコニコで当たった曲。あの頃は、曲作りが楽しくて仕方がなかった。黒歴史だって、流れた時間が歴史を黒くするのであって、産声を上げた時は純白の歴史なのだ…勇気を振り絞り再生ボタンを押した。
 
イントロで停止した。今のしがない中年メンタルが耐えられる曲じゃない…再生を続けるのは自殺行為と判断した。そして懐かしのボカロツアーを敢行した。40mp、現実逃避p、kemu、八王子p…懐かしみで泣けてきた。
 
俺がボカロにはまったのはDECO*27氏の『弱虫モンブラン』だ。号泣しながら聴いた。おっさんには甘すぎる曲だ。「君が死ねばいいよ 今すぐに」なんて歌詞を書くのだろう。刺さり過ぎる。
 
冷蔵庫に行くと弟がいた。随分長い間没頭していたらしい。時計は22時を指していた。
 
「懐かしいの聞いてたね」
「あん…まあ…」
 
変な返事をしてしまった。滅茶苦茶に恥ずかしい。いい歳こいたおっさんがボカロ曲を聴いて泣き腫らした顔をしてるのだから。
 
「俺も好きだったなぁ。良い曲だよね」
「まあ…たまにはね…やっぱおっさんが聞くもんじゃないわ」
「なんで?」
「いや、別に…もっとほら、おっさんならさ…」
「34はおっさんじゃないよ」
「おっさんだろ」
「それにおっさんだって、ボカロくらい聞くっしょ。俺だって未だに『おジャ魔女カーニバル』聞くし」
「…ふ~ん、そう。…へぇ~…まあ、たまには、ネ…」
 
何だこの返答は。聴く曲に関係なく、自分はキモイんだと思った。さっさと自室に戻ってピリカピリララしよう。

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