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詩界 / シカイ

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困難

整わないな

整わないな

整列しろって 難しいな

時計は ずるいな

月は 仲間だな

それは 勝手な想像かも知れないけど

整わないときは

想像するしかないんだ

発熱中

熱がある時にこうしてペンを持つと

何か いつもと違う効果があるようだ

例えば 頭の中にしか無いはずのものが

私より外に出てくるだろう

夕陽がちっとも沈まないから

地平線は意味を失うだろう

てんとう虫が何匹もいるから

つやつやの可愛さが薄れるだろう

ポップコーンが出来上がるから

滝壺から音が消えるだろう

どうかしている

ああ、熱があるんだった

Your Name

僕の中の汚い

こんなものじゃなくて

僕の中の醜い

こんなものじゃなくて

僕の中の 小さな小さな

君の名前を

いつかは 呼んでみたいんだ

たりないもの

ひと味 足りないなぁ

香りは良いんだけど

何かが 足りないなぁ

何を 入れようかなぁ

せっかくだから おもしろいものが良いなぁ

ふくらむ ふくらむ

想像は ふくらむよ

足りない は

ふくらむよ

できあがり 待っててね

もう少し 待っててね

疑問

なんで 斜めなの?

いや、その方が面白いかなと思ってさ

なんで 斜めなの?

いや、その方がバランスがとれるっていうか

なんで 斜めなの?

いや、その方が真っ直ぐが映えるだろう

なんで 斜めなの?

じゃあ君が首を傾けてみたらいいだろう!

あ、ほんとだね、面白いね、

今度は真っ直ぐが斜めになったよ

うん、これは面白い、すごく!

いや、うん、それほどでも…

蝶は花にとまる

君のまばたきは

蝶の羽ばたきのようで

実に美しい

ああ

どこへも行かないで

いつまでも

ここにとまっていて

雨に濡れたら大変だろう

ここは

いつでも晴れているよ

君のまばたきは

僕のハナのもの

もろい

世界は

保存できない

機械が

騙しているだけ

耐震補強するなら

円を選ぶといいよ

ヘビ

ヘビについて調べようと思う

私は今まで

道は全て

ヘビだと思っていた

気流 血流

あたま おなか

電波 音波

夢 動き

ヘビのようだと

でも私は

ヘビについて何も知らない

私は これらについて

詳しく知りたいと思う

部屋に

うるさい

視界に入ってくるごちゃごちゃが

頭の中でうるさい

聞こえない

扇風機の風を感じるから

多分 部屋に音はある

愛の入り口

愛の入り口

毛先 指先

人それぞれ

ふるえる 伝わる 温度でわかる

いや わからない 人それぞれ

先をまるめる 先をとがらせる

触れるように 触れないように

愛の入り口 少なくとも 空洞ではない

ここ は どこ

昼休み 屋上

飛行機雲が空に傷をつくった

その向こうで 5時間目があくびをしたの

夕方 部屋

網戸が光っている

その向こうに 夕日のロマンスは見えたの

深夜 窓の奥

山のくぼみは月をライトとして

その中に 夜行性の騒がしいバスタイム

朝 ここ

今朝もここ

昨日も 明日も

今朝はここなの

ホットで。

寒いから

熱いの触るの苦手だけど

自販機で買った

ホットコーヒー

飲もうと思って

飲み口を開けようとした私の指

…止まった。

…なんで、開けないの?

私が飲みたいんじゃない

あなたに飲んで欲しいと

それは あなたの好きなブレンド

無意識でした

指は

私の気持ちに気づいていたの

私は あなたのやわらかい笑顔を

待っていたようです

あなたが来ました

「遅れてゴメン」と

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たばこ

たばこの歌

煙たい煙たい

刺激的空気が目に染みて

涙がこぼれる

いつも あるよ

たばこへの憧れ

たばこからの誘惑

たばこが彩る世界

さいけでりあ

くらくらと 目がまわる

ああ

なんとも気持ちがいいの

作り物への疑いはいっぱい

知りたい 確かめたい

知りたい世界…

知らない世界…

そんな 私

きっと 弱くなる

信頼性の無い空気が

不気味に漂う渦を止めない

そん

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たどっている。

私が眠っているとき

家族は回っている

学校でも クラスメートも 先生も

回っている みんなは

紫外線に折れない矢に強い

その矢が飛び交う世界に強い

私はそんな世界に弱い

雨の日

普段折れない矢は しおれて 力無い

みんなも 弱い しとしとと

回る世界も 元気がない

私は 窓から

垂直な雨粒の余韻と

勢いのない矢の軌道が描いた

いくつもの歪んだ十字架を

視線できつく刺し

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