僕と雨の重なるところの静寂の理由は一体
そこそこの雨の降りつける今夜である。1時間ほど前の夕刻にみた怪しい色したそれはこれの前触れだったのだろうふむと1人納得している僕である。少しはしゃぎすぎた夏を冷ます程度なら悪くない。何物にも中庸が肝心である。雨脚の弱まったり強まったりする窓辺の机で心地よき独り言を紡ぐ今夜、また皆様お付き合い下さい。
鹿田です、よろしく。
今日は休肝日ではないが素面を保つ僕である。昨日の暑気払いとて平日の中間に開いたものだから正体なく酔に感けることもなく、翌日さっぱりとした脳みそでスマホのアラームを聴き、開け放したカーテン外の容赦ない日差しに垂涎し、目を覚ました。
まあもちろんそれはエアコンの聴いたビジネスホテルの一室内のことであり、フロントでチェックアウトの簡単な手続きをすませいざ境界線上に構える扉を開けたなら、激しき野生を暴いた夏がそこに、いた。
「アウチ」
どうしたものかろくに英会話もできない癖に、鹿田の本能は英語で痛みを訴える。
それでも昨日の暑気払いで喰い貯めた焼肉が多少スタミナへと体内で変換されたお陰で、特に外での仕事もなかったのでどうにか一日をつなぐことができた。しかしこの先一週間これが続くという事実と、数ヶ月はこれが不定期に起こるという真実は夏らしくなく何かを謀る目つきでこちらを見てはほくそ笑む。
(お前のアイディンティティを焼き尽くしてやろうか?)
とでも言いたそうであるが、体とこころは全くもって別であり、裏腹にこの異常な暑さを歓迎する心も持ち合わせる鹿田は些か自分自身の夏バカさ加減に思いやられつつ不敵な笑みで反撃する。
そういや2次会でいった、駅前のAIKAっていうバー良かったな。空間が夏だった。レトロさもいい味だしていた。ま、ぼくはフルーツカクテルなどひとつものまず、白州と山崎を一杯ずつハイボールで飲んだ。白州は夏の避暑地の森の中みたいな匂いがするので大好きなウィスキーだ。普段なら手はでないが、たまに飲むからまたいい。
話は戻るが僕は(※果たしてどこに話が戻るのかは皆さんの想像次第だ、それを適当ともいう)休日であったって、僕は基本出不精であるから身体を脅かすほどの危険な熱波であるならば、潔く心地よきエアコンのそよぐ部屋で、満面の笑みでベッドに横になる。それとて僕は夏の醍醐味であると胸を張って言えるから、侮るなかれ異常気象め、とこちらも憎たらしい笑みを投げ返す。
雷がなり始めた。
今夜はもうひと雨来るかもしれない。
被害のないことが大前提であるが、僕は真夜中の夏の豪雨は好きである。
ここが何処か不明になるほどの圧倒的な雨音はまた僕を不思議な心地にさせる。はじめの頃はその激しい音に圧倒するのに、ずっと聴いているとそれが降っているのか、降っていないのかわからなくなる。と、いうのは静かなのか、激しい雨が降っているのか、音で判別がつかなくなるということである。
ひとつの世界を覆う(少なくとも僕の半径数メートルは確実に網羅している)はずの雨なのに、豪雨であるのに見失うということはどういうことであろう。音になれるということは考えられないし、僕はそんな興奮に目覚めた眠れぬ真夏の深夜に結論を出すことを楽しむ。そして最終的に僕は脳内のらくがき帳に2つの丸がかさなったベン図を想像する。
てなことで最終的に適当でこかして、今日の記事を無理やりしめる。
みなさん、素敵な夏を。