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鹿田、虫を撮る。
天下の出不精男、外界に出る
”出不精世界代表”を日頃から名乗っている僕である。関取が10人がかりで来ようと玄関の引き戸レールを両手の指先で掴み、たとえ8指の第一関節が吹き飛ぼうが歯で食い止めるニコ・ロビン如く僕は抗うはずである。そんな僕がひょっこり家から出たのだから天変地異が起き、今日の晴天を呼んだ。みんな鹿田に感謝してくれよ。
鹿田です、よろしくね。
誤字をあやまる
さていつも読んでくださっている方ならご存知。誤用に羞恥心を覚えせっせと直して回ったと以前話したその言葉、ここで潔く発表しようではないか!その誤用していた言葉とは「宣う」である。”適当なことを堂々という”と勘違いして覚えていたが、実際は尊敬語(少し貶す意味を込めて使うことが多い)の”言う”という意味であった。ああ、ずっとごろごろと胸につかえていた事を言ったからさっぱりした。となればあとはパーティーである。虫パーティである!
静かなる冒険の序章
浮かれて色々話してしまう、支離滅裂はもとからなので許しておくれ。さて閑話休題話を戻す。鹿田が虫好きであることは、まあほぼほぼの方はご存知。その虫好きも夏バカから派生したものだから、浅く広くということも周知の事実。またカメラの扱いも万年素人であるのだが、使っていたという話も多分以前したはず。よってこの好天、虫を探しに出かけるしかないじゃないか!と、眠り貪る根深き習性に抗って行動を起こしたのなら、大したものなのである。
実際のところはすっかりタイヤ交換を忘れていたので、久しぶりに空いた平日にいってしまおうというやむを得ないタスクのあったことが前提。それで珍しく休日に早起きするなら、虫でも探しに行くか、とオプションだったというのが本音のところである。しかししかし久しぶりの昆虫観察に僕は胸が高鳴ったことも確か。昨晩しばし己の鼓動のうるささに眠れなかったくらいだ。
兎角して、数年前購入したTOUGHシリーズのコンパクトデジタルカメラ通称コンデジを持ち、鹿田は数年ぶりの昆虫観察に出かけた訳である。
予約していたわけでもないが平日とあり2軒めのガソリンスタンドがヒットしてすぐにタイヤ交換をしてもらえることとなった。そして30分も経たずに装着が終わったものだから、想定より早い時間に昆虫撮影へ出かけることが可能となった。空は真っ青に澄み渡り、また水の満たされた田んぼはどこまでもどこまでもその気持のいい青田風を走らせては微笑んでいた。どんな昆虫にであえるのかと僕はすでに期待で胸がはち切れていた。パッチーン!!
夏の自然公園
さて到着したのは郡山市にある逢瀬公園。裏手の駐車場に止め、虫除けスプレーを満遍なく塗りたくる。ふと左腕を手前に曲げて嗅いで見ればいつかの夏の匂いがして、虫より前に僕が泣きそうになり危うい。しかしどうして虫除けスプレーとはどのスプレーも似た匂いがするのか、お陰で回顧癖に浸ることができるわけだが、そこのところ詳しい方がいたらお聞かせ願いたい。懐かしい匂いの素が判明したならば買い占めて部屋中に塗りたくるのである。それがどうか殺虫防虫作用の要の部分で無いことを願いたい。鹿田はcicadaなので、僕自身も殺虫剤に弱いのだ。ミーン。
右手にカメラを抱えては公園内の林道を登り、虫を見つけてはひたすら撮っていた。あ、ちなみにカメラは虫撮りの王道Tough Tg-6さんである。それより高いのは流石に手が出ないが、何かと便利なカメラで防塵防水に落下耐性とおっちょこちょい鹿田にはもってこいのカメラで、しかも昆虫撮影に適している。別途のレンズなんて付けなくても、寄れば寄るだけピントが合う。カメラ万年素人の鹿田でも、そこそこの写真を取ることができるのだ!(ま、あとからみてみたらピントブレブレだったが…、練習練習、そのうちまた行くのだ!)
ちなみにこんな感じの写真を撮った。小さくまとめたのできれいに見えるが、拡大すればかなりピントが怪しい。
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うむ、縮小表示であればある程度撮れているな。しかし拡大するとピンボケである。もっとしっかりピントが合ったのを確かめてからシャッターを押さねば鳴らなかった。しかも前半は久しぶりにつかたものだから、LEDライトガイドLG-1がしっかり稼働していなかった。お陰で全体的に光が届いておらず真っ黒な写真になっていたのである。接写で撮っているから余計である。ま、されどもいい経験だった。もうすこしカメラの腕も上げたいなと思っている。
それから他にも、でっかいナメクジや(通常の体温計を一回り大きくしたくらいの)羽アリの大群(腐った木の切り株に密集していたのだが、それに気づいたときは虫好きの鹿田も体が固まった。データはあるので、見たい方には個人的に差し上げますが、ほしい方いるかしら笑)もいた。
虫を探すために公園の林道から外れた林の中なども回ったから、ときに真っ黄色のスズメバチとも遭遇したりしたが、猛ダッシュで逃げるしかなかった。それから木の樹液付近になにかいないかなと探してみれば、毛虫だらけだったりとなかなかと濃い経験をしたが、それらを全部ひっくるめて、ほんと、重い腰を上げて行ってきてよかったなと思うのだ。
鹿田、家に帰る
今は家に戻り、網戸越しに夜風を感じながらこれを執筆している。聞こえるのはアマガエルやらカエルたちの声と時折路地を通る車の滑走音だけである。時鳥の声がしたきがしたが、気の所為だったようだ。それにしても、夜風が心地良い。夜だけならばもう百点満点の夏である。今日は昆虫撮影の勢いで書いてしまったからまだビールは一滴も飲んでいない。かきあげて、次の予定を立てることを当てにしながらゆっくり飲もうと思う。今日出会った虫たちも思い出したりして、ゆっくり、ゆっくり。
なんてったって、まだ夏は始まったばかりなのだから。
【追記】いつもスキありがとうございます!
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