セミコロンとは何か
ビジネスに使えるデザインの話
ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています。
欧文のルール
日本人は知らない欧文(主に英語)のルールというものがあります。これは英語の授業でも教えてくれません。それゆえか翻訳者からの原稿にも、このルールに則っていないものがすごく多くあります。
知っておくと何かとアドバンテージになるので少しずつご紹介していきます。ご紹介した欧文のルールはこちらのマガジンにストックしていきます。
日本語の三点リーダー
学校ではほぼ習わない文字の知識に「約物(やくもの)」というものがあります。日本語なら、句点「。」、読点「、」やこの鉤括弧「」も役物。このあたりはもちろん知っていても三点リーダー「…」の使い方はご存じない方も多く、だいたい一つだけで使われたり、中黒「・」を3つつなげて使われるのをよく見かけます。
三点リーダーは本来、2つ繋げて「……」と使います
そして意味は、絶句や間を表現しています。文字も言葉同様に生き物なので変化するものと捉えても良いですが、さすがに「・・・」はいただけないと考えます。それはさておき、この役物、日本語でも詳しくない部分があるのに欧文となると尚更……となるのも無理からぬのですが、正しい知識を知っておくと楽しいんじゃないかとわたしは考えます。では早速ですが、セミコロン「;」について。ついでにコロン「:」についても手短に解説します。
その前にこういう知識は何を参照すれば良いのか、その資料について軽く触れておきます。
欧文の表現のためのルールブックがある
今回は(そしてこれからもたぶん)英語に限っての話にします。英語にはアメリカ英語とイギリス英語がありますが、印刷物やデザインにおいては、通常アメリカ英語基準に設定しています。指定があればイギリス英語にしますが、まずありません。で、イギリスとアメリカでルールがちょこちょこ違ってきます。イギリス英語の表現についてのルールブックは、こちら「Oxford Style Manual」です。分厚い!それに英語表記をする人以外にはぜんぜん必要のない本です。
一方でアメリカ英語のルールブックはこちら。「The Chicago Manual of Style」
さらに文字に特化してその使用法や成り立ちなどを解説した本としては、こんな本があります。
これらはグラフィックデザイナーなら用意してあったほうが良い本ですが、どちらかというとマニアックです。これらの本、特にStyle Manualは、英文を書く際には必要かもなので論文を書く方々は、手元に一冊あると便利です。
さて本題のセミコロンとコロンについて。ささやかなルールから先に触れていきます。
セミコロンの前には半角スペースは不要で後には1つ入れる
Wikipediaからの一文引用させてもらうと
このようになります。ではセミコロンとコロンの意味について。
セミコロン「;」の意味は3つ
さきに挙げたThe Elements of Typographic Styleによるとセミコロンは「コロンとコンマ「,」の中間」と表現されています。しかしまだコロンの意味も説明していないので分かりづらいですね。
セミコロンの意味1つ目=2文をつなぐ
英語de日記というウェブサイトから一文引用させていただきます。
この場合、セミコロン「;」の前後は完全文である必要があります。完全文とは、その一文で成り立つ文です。例えば、
I like her because she is beautiful.
という文のI like herは完全文です。ただしbecause she is beautifulは不完全文。「なぜなら」のbecauseは、他に文があることを前提にしているから。
うえの例文は同じテーマで完全文を併記しています。こんなふうにセミコロン「;」は使用します。
セミコロンの意味2つ目=接続詞と一緒に使って2文をつなぐ
ふたたび、英語de日記というウェブサイトから一文借用させていただきます。
この場合、接続詞のbesides(その上)が一緒に使用されています。このときセミコロンとbesidesのどちらかがなくてもOKです。
この使いかたのときは、接続詞にandやbutなどは使えません。
セミコロンの意味3つ目=事項を並べる
さいしょに使ったWikipediaからの引用がこの方法。
JamieとJohnとGoergeを並べるのにセミコロン「;」が使われています。文の意味は、「出席したのは、ニュージーランドから来たジェイミー、牛乳屋の息子のジョン、そして友だちがひとりもいない痩せこけた男、ジョージだった。」です。変な文。
コロンの意味も大雑把に説明します。
コロン「:」の意味は4つ
コロンに関しては、4skilsというウェブサイトから例文を引用させてもらいます。
1.例示
音楽の内容をコロン「:」の後に列記しています。
2.補足
「次のような理由で」のあとにコロン「:」をおき、3つの理由「幸せにしてくれて」、「リラックスさせてくれて」、「集中力を高めてくれる」からと述べています。
3.引用
彼女の父が話した内容をコロンを使って後にくっつけています。
4.強調
「それはわたしだ!」という言い回しをコロンを使って強調しています。モンスターエンジンの神々の遊びのような例文で楽しいです。
ギリシャ語だとセミコロン「;」はクエスチョンマークの意味
ギリシャ語を使うことはなかなかないので、トリビアな情報かもしれませんが。
グラフィックデザインにおいて欧文ルールは必要な知識
欧文を使う制作物の場合は、できれば欧文の校閲を専門とする方と協業するほうが良いです。英語が話せる、書けると欧文を正しく書けるというは別の技術なんです。
この欧文のルールについてもこれからときどき説明していく予定なんですが、これは、グラフィックデザインにおいては意外に必要な知識なんです。
なぜかというと英語を使うから。どこで? それはロゴやデザインにおいて。こちら↓は、インターブランドというブランディングファームが毎年作るブランドのランキングで、そのなかでも「日本国内の」企業のランキングです。
パッと見て載っている40社中、日本語をロゴに使用している企業は7社。17.5%です。ほかはロゴにローマ字を使用しています。このように、日本企業でもロゴや制作物に英語、ローマ字を使うんです。
これ、どういうことかというと欧米企業が、ロゴに日本語を使用するようなものなんです。日本語について詳しくないのに。それ怖くないです?このグローバルな時代に。
アメリカの歌手、アリアナ・グランデさんが、「7 rings」の意味で、「七輪」とタトゥーをいれたことを、「そりゃ、しちりんやん!」というツッコミが相次ぎました。
そんなのそっと見守っておけばいいじゃないか!かわいいのに!というのが私見ですが、企業の場合はそうはいかない。は?という使い方をしては海外へマーケットを広げにくくなります。
という理由で、地味ーにデザインに関して欧文のルールも紹介していきます。
よろしければサポートをお願いします。サポート頂いた金額は、書籍購入や研究に利用させていただきます。