【小説】あと59日で新型コロナウイルスは終わります。
~おむつ自販機~
新生児や産後のママの相談にのるため来院を促すとき、お産施設のない⚫⚫クリニックでは必ず持ってきてもらうものがいくつかある。
母子手帳、母子の検査結果などの医学的なものの他に頼んでいるものがある。
「……、それと、オムツも必ず持参してくださいね。」
すると、新ママの中には、
「どれくらいですか。」
と聞いてきたりする。
「半日外出するときの量ですよ。」
とお伝えすると、
「半日外出するときのオムツの量が分からないんです。」
と泣きそうな声がする。こちらの答え方が不親切であったかとアキナは反省した。
「5枚くらいです。もし、足りなければ、1枚100円でお渡ししています。」
アキナはそう言って、新ママを安心させた。
* * *
おむつ自販機、拡大中 問い合わせに応えベビールームも
話題 朝日新聞デジタル 2020/9/22 07:39
おむつの自動販売機が北関東でも広がっている。設置を進めるダイドードリンコ(大阪市)によると、栃木、茨城、群馬の3県で昨秋以降、9台が設置された。飽和状態が指摘される自販機に「社会貢献」の付加価値をつけ、「選ばれる自販機」をめざす狙いという。
北関東で最多の4台が設置される栃木県。今年4月に高根沢町の道の駅「たかねざわ元気あっぷむら」におむつ自販機が登場した。2枚入りで220円。筒型に包装し、缶飲料を扱う自販機の一角に入れている。おしりふき(240円)も販売している。
自販機のそばには授乳やおむつ替えが24時間できる「ベビールーム」がある。広報担当の山本絢哉さんは「子育て中の家族から『おむつ替えできますか』という電話の問い合わせは多い。おむつ自販機も『いざ』というときに役立っています」と話す。
おむつ自販機は、ダイドードリンコと大王製紙(東京都)、セコム医療システム(同)が協力し、昨年11月から展開する。第1号は茨城県潮来市の道の駅「いたこ」。現在は全国に80台設置され、将来は200台に増やす計画という。
* * *
「外出先で思いのほか、オムツを使ってしまった。」
「近くに、24時間やっているドラッグストアーやスーパーがなかった。」
「コンビニにオムツが売られていなかった。」
「オムツ自体は売っていたけど、いつも使っているオムツがなかった。」
「たった1枚欲しかっただけなのに、1パック買わざるを得なかった。」
「まだまだ新型コロナウイルスが流行っているので、なるべく密を避けて購入したかった。赤ちゃんの人権や衛生面が考慮されたベビールームも欲しい。」
自動販売機の中に売られているものも、時代のニーズに合わせて、刻々と変化し続けているようだ。
新型コロナウイルスが終わるまで、
あと59日。
これは、フィクションです。
この記事が参加している募集
たくさんの記事の中からわたしの記事にご興味をもち、最後までお読みくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートは、私が面白いと思ったことに使い、それを記事にしたいと思います。